7月20日、東京ビックサイトにて開催中のインバウンド・ジャパン2016(主催:日経BP)において、菅義偉・内閣官房長官が基調講演を行った。
菅官房長官は、アベノミクスの三本の矢(金融、財政、成長戦略)の成長戦略について、安倍政権が中長期視点の政策を徹底して推進する方針を強調。
そして、インバウンド観光は成長戦略の大きな柱であり、地方創生の大きな鍵とした。
訪日外国人の政府目標である2020年4,000万人は、間違いなく到達できるとの見解を示した。さらに、観光先進国を目指し、「(中長期施策を)できることはすべてやる」と述べた。
2016年3月25日、菅官房長官は、衆議院・内閣委員会において、「観光立国を目指す日本において、IRは欠かすことができない。議員立法であるIR推進法案が成立した後、政府として迅速に対応できる準備を進める」と発言した。
IR法整備に向けた状況整う。2016年6月2日、政府・首相官邸は「日本再興戦略2016」を閣議決定した。そこには、「観光立国の実現」の具体的施策として、カジノを含む統合型リゾート(IR)の検討が書き込まれた。2014年以来、三年連続の書き込み。
7月10日の参院選に向かっては、おおさか維新の会が選挙公約に「カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進、誘致」を盛り込んだ。一方、自民党は「総合政策集2016 J-ファイル」を発表し、そこに、観光立国の推進の施策として、IR推進を書き込んだ。
また、2016年6月、政府の平成29年度の予算策定作業、そして、秋の臨時国会を前に、自治体から政府への要望提出が相次いだ。
北海道、東京都、和歌山県、大阪府、大阪市などが、カジノを含む統合型リゾート(IR)に関わる法整備・実現を求めた。むろん、各自治体は、2016年秋の臨時国会におけるIR推進法案の成立、その後の速やかなIR実施法の整備を期待している。
政府が正式にIRの検討を開始(2014年6月の日本再興戦略への書き込み、7月の内閣官房への調査検討チーム設置)してから二年が経過。
多くの自治体、有力企業、経済団体が地道にIRの研究を積み上げてきた。とくに、自治体は候補地を想定し、開発事業計画策定の準備を進めている。
秋の臨時国会におけるIR推進法の成立が期待される