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なぜ日本株の戻りは遅いのか

なぜ日本株の戻りは遅いのか 市場が抱える本質的な問題


 日本株の戻りが遅すぎる。7月1日の日経平均株価終値は、15682円でイギリス国民投票前の23日と比べ3.4%安い水準にある。一方、1日のロンドン証券取引所のFTSE100指数終値は6578ポイントで23日と比べ3.8%高い。ちなみに、これは、昨年8月11日以来の高値である。そのほか、同じ時間軸で比較すると、上海総合指数、台湾加権指数は既に国民投票前の水準を回復しており、NYダウ、香港ハンセン指数はほぼ近い水準まで回復している。

 イギリスのEU離脱が大きな試練となりそうなフランス、ドイツ、スペイン、イタリアといったEU主要国の株価指数はいずれも大きく下回っている。現在の日経平均株価は、これらEU主要国並みの戻りの弱さとなっている。

 なぜ、これほどまでに日本株の戻りが弱いのだろうか。

 直接的には為替が円高方向に振れている点が大きい。輸出産業や海外ドル資産を多く抱える金融機関などの企業業績見通しが悪化、主要銘柄に買いが入りにくい状況となっている。

 もう一点気になる点は、株価形成において、外国人投資家が過度に主導権を握っている点である。彼らの中にはより短期的な売買を繰り返し、投機を繰り返す者もいる。超高速アルゴリズム取引の弊害が指摘されているが、それがゆがんだ株価形成をもたらしている可能性がある。

 もっと本質的な点を指摘すれば、日本の為替市場、株式市場は自由度が非常に高い。そのため、世界のビッグプレーヤーによる投資、投機行動が価格形成に大きな力を持っている。

 為替レートや株価は日本経済の現状を表すと同時に、日本経済の先行きに影響を与える。これらは、景気に関する結果であり、原因である。極論すれば欧米のグローバル金融機関が日本経済を決める構造であると表現することも出来よう。

 今、世界全体で、グローバリゼーションに対して、見直す動きが台頭し始めている。人、モノ、カネが国境を超え自由に移動することについて、制限を加えようといった動きが出ている。

 イギリスのEU離脱はその典型である。

“決められたルールに基づかず、国境を越えてやってくる移民や、国内でテロ行為を繰り返す外国人は排除すべきである。アメリカ企業に利益をもたらさないばかりか、不利益となるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は見直すべきである。” このように主張するアメリカの大統領選・候補者トランプ氏は反グローバリゼーションの急先鋒とも言えよう。

 そのほか、EU加盟国の中にも、反グローバリゼーションの火種はくすぶり続けている。

 アメリカは中国に対して、WTO(世界貿易機関)加盟のための2カ国間協議の時代から一貫して、市場開放を強く迫ってきた。

 特に金融領域における要求は非常に厳しかったが、現在に至るまで、中国の株式市場は閉鎖的なままで、為替に至っては隠然と操作を続けている。中国は粘り強い交渉によって、グローバル機関投資家を背景にもつアメリカの要求を上手くかわし続けて現在に至っている。

 中国本土の株式市場は決して安定した株価形成がなされているわけではないが、少なくとも自国の投資家が価格決定の主導権を持っているといった点で、日本とは大きな違いがある。

 グローバリゼーションを無理に進めなかったことが、中国の経済発展において重要な意味を持っていると考えている。

 日本政府は決して何もしていないわけではない。株式市場においてはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を通じた買い支えを行っており、為替市場においては市場介入を行っている。株式市場、為替市場の安定を保とうとしている。そのことを国際社会(アメリカ?)に対して大っぴらに言えないだけである。

 日本政府は、日本企業、日本国民のために、為替、株式市場を安定化させる力を持つべきである。我々に対して不利益をもたらす行為についてはしっかりと規制すべきである。日本もグローバリゼーションを見直すべきである。



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