アインシュタイン博士(1879-1955)が初めて来日されたのは1922年(大正11年)のことでした。その1週間前の航海中の船上で、「一般性相対理論」によってノーベル物理学賞授賞の知らせを受け取られた時の言葉は
『もし私が日本という国を自分自身で見ることのできるこのチャンスを逃がしたならば、後悔してもしきれないというほかありません』
でした。
そして初来日、わが国をご自分の目で見、さまざまな体験をされて、率直なべた褒め言葉をあちこちで連発されました。それが、博士の胸のうちから溢れ出ているので、現代の日本人はちょっと気恥ずかしくなりますよ。(笑)
まぁ、博士の言葉をじっくり聞きましょう。
〇 近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない。
→ 明治維新後、西欧文明を必死に猛スピードで取り入れましたが、技術などの「物」は西欧化しても、心は日本人でいるという難しいスタンスを成功させていたからです。キーワードは「和魂洋才」でした。
〇 日本人は、これまで知り合ったどの国の人よりも、うわべだけでなく、すべての物事に対して物静かで、控えめで、知的で、芸術好きで、思いやりがあってひじょうに感じがよい人たちです。
→ 当時の日本人はE・アランの「国によって慣習は異なる。しかし、表情をくずさぬことが、すべての国に共通の礼節の第一法則なのである。まして、予想もできない激しい感情の動きをあらわすことは、どこにおいても無作法である。」という言葉を期せずして体得していたようですね。
〇 日本人以外にこれほど純粋な人間の心を持つ人はどこにもいない。この国を愛し、尊敬すべきである。
→ 博士はここまで、明治から大正時代の日本人を高く評価していたのでした。
それが戦後、博士の表現はこのように希望的表現に変わっています。
〇 以前に日本人が持っていた、生活の芸術化、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って、忘れずにいてほしい。
→ 博士、ありがとうございます。 次回は世界の平和について、あなたのお考えを教えてください。
次回は平和主義者の博士の叡智に学びたいと考えています。
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