年初から続いていた投機筋による円ロングが先週大幅に解消しています。
恐らく、米国の6月利上げ観測が急浮上したことで
「念の為」サミット前にポジションを調整しようという心理が働いた為だと推察しています。
ただ、サミットの報告会見が終わると、開催国の通貨が買われるというアノマリーがあるので
週明けの円相場には、こちらも「念の為」注意して置いた方が良いと思います。
因みに、米国の5月度雇用統計が6/3に発表されますので
その前後で円相場が乱高下する可能性もあります。
またFOMCが6月14~15日、日銀金融政策決定会合が15~16日にそれぞれ予定されており
FRBは利上げ、日銀は追加緩和の可能性を含んでいます。
<日米の金融政策4つのパターン>
①FRB ➡ 利上げ & 日銀 ➡ 追加緩和
②FRB ➡ 利上げ見送り & 日銀 ➡ 追加緩和
③FRB ➡ 利上げ & 日銀 ➡ 追加緩和見送り
④FRB ➡ 利上げ見送り & 日銀 ➡ 追加緩和見送り
ここで④のケース以外は日米金利差の変動を伴う可能性があるので
円相場も少なからず影響を受けると思います。
今回の場合、名目金利差だけを見れば円安に振れると考えるのが普通ですが
日米の実質金利差は、元々日本の方が上回っていましたので
ドル円相場の先行きは、日米両国のインフレ率の変化が鍵を握ることになりそうです。
<日米実質金利差の解説>
*名目金利は実質金利より高いのが一般的ですが
日本はデフレをなかなか克服出来ないため
実質金利の方が名目金利より高いという歪な状態になっているのが実状です。
(参考記事)
http://jp.reuters.com/article/focus-dollar-yenn-interets-idJPKCN0X218J