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ガンの治療に一筋の光! -免疫薬のオプジーボ-

 旧聞に属すことなのでちょっと気はずかしいのですが、「文芸春秋五月号」の特集記事「最新医療に乗り遅れるな」に、京大名誉教授の本庶佑(ホンジョ タスク)先生と評論家の立花隆氏の対談が掲載されている。

 翔年は抗がん剤治療は原理的に正常細胞も壊すので、この治療には否定的な気持ちを持っている。が、ニポルマブという新薬は大いに期待できると信じます。医学にまったく素人ですが、期待するに十分な根拠があると思うので、そのことだけ記しておきます。




 ます記事のタイトルは「がんを消す免疫薬の真実」で、対談は下の三つの柱の構成です。

1. 抗がん剤との比較実験で圧勝
 本庶先生のチームが発見した「PD-1」は人間の持つ免疫細胞の表面にあって、免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持つ分子だという。

 がん細胞というヤツは免疫細胞からの攻撃を受けるとこのブレーキを踏む分子「PD-L1」を出したり、他のまだ未知の仕組みで免疫細胞をストップさせる巧妙な技をもっているらしい。

 だが、先生もさるもの、もし免疫細胞にブレーキがかからないようにすれば、がん細胞は困るのではないかと考えたのです。そしてブレーキを踏めないようにする返し技を開発された。(笑)
 それがニボルマブという新薬です。免疫ブレーキを解除するメカニズムとすばらしい臨床試験結果(これまでの薬との比較)の詳細は文芸春秋の記事をご覧ください。

 事実だけ記載します。
 ・ 2014/7月; メラノーマ(悪性皮膚がん)の治療薬としてニボルマブは厚生労働省から薬事承認を受ける。

 ・ 9月; 「オプジーボ」として発売される。

 ・ 12月; 胃がんと血液のガン(ホジキンリンパ腫)の薬事申請。

 ・ 現在; 世界でニボルマブの臨床試験が約二百種類も進められている。その中には胃がんも喉頭がんも、膠芽腫(脳腫瘍のなかで最も悪性)も、卵巣がんも入っている。いろいろながんに効く可能性があるという点がこれまでの薬と違う。

 問題点; 薬が効く人には非常によく効くのに効かないひとには効かない? これは患者本人の免疫力を活用する薬だと考えれば十分納得がいく。免疫にも個体差があって、免疫力の強い患者と弱い患者がいることは間違いないのですから。今後、事前に効く患者と効かない患者の見分けがつけられたら申し分ありませんね。

 翔年は今まで免疫療法は効かないという通説がひっくりかえされたと確信しました。

2. 偶然の発見から世界的新薬へ
 本庄先生のご専門は「免疫」です。免疫には生まれたときから備えている「自然免疫」と特定の異物の刺激に応じて攻撃すべき相手を記憶していく「獲得免疫」の二種類がある。人間は後者をつくれるので、非常に高度な防御システムが出来上がっている。ですから、細胞のコピーミスでおこるがん細胞はできたらすぐに免疫系に殺されると考えられている。

 ところががんのヤツもさるもの、免疫系の力を抑え込む仕組みをどこかの時点で獲得しているのです。それが先ほど述べたブレーキです。

 ところがどっこい、学者先生は偉い! 本庶先生は24年前にこれらの仕組みにかかわっているPD-1を(偶然に)発見されていたのです。凄いことですね。 偶然に発見されたエピソード、複雑な免疫系の興味深いストーリィ、研究と実験中に示された先生の慧眼などは、とっても面白いので全部割愛(笑)して「文芸春秋」にゆずります。


3. 厚労省と製薬会社は時代遅れだ
 こういうテーマが好きな攻撃型マスコミ関係者、評論家、識者?はたいへん多い。巧みに大衆に迎合しながら、相手のミスを徹底的に叩いて、大衆の不満を煽ったり、大衆の快感をくすぐる書き方のうまい人も多い。あまり好きになれません。(笑) で、敢えてこの項目については書きません。


 替わりに、医学の進歩に期待の持てそうな分野を列挙します。

1. 免疫系と神経系、或いは免疫系と代謝系というこれまで別の制御システムととらえてきたものが、実はつながっているらしいことが分かってきた。もっと生命体系全体を広くみる医学に立ち返ってほしい。

2. 本庶先生によると「糖尿病や大腸炎、リウマチなど原因がわからず治療法が見つからなかった難病には、実は自己免疫疾患が多い」ことが分かってきたらしいです。
 
3. したがって、「今後、免疫系の治療薬が登場してくる可能性は大いにある」そうですから、期待しましょう。


 最後の最後、先生がご不満い思っておられるこのことだけは書き忘れてはならない。
「『ウオール・ストリート・ジャーナル』(2012/6/2)がトップ記事として『人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった』と報じました。全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでしたね。」
本庶先生のお小言、キツイ一発でした。(笑)




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