NGTNさんのブログ
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週末まとめ -8/2/2008-
★アメリカ
週間では、ダウは-0.39%、ナスダック指数は+0.02%、S&P500は+0.21%でした。週ベースでは前週末終値とあまり変わらない水準となりましたが、日毎ではダウが±200ドルを繰り返す、値動きの荒い展開でした。前週末に2行の地銀が破綻したことから、週初から大幅安。今週末もまた新たに1行が破綻しています(今年8件目)。メリルリンチがサブプラCDOを売却し資金調達を成功させたことから、火曜日は大幅高。ADPの雇用者数が予想外のプラスになったことから水曜日も大幅高。木曜日は、第2四半期GDPの伸び率が予想を下回ったことから大幅安。金曜は、GMの大赤字決算が出るも、雇用統計が予想から大きく外れなかったことから、比較的マイルドな下げ幅で終わりました。
金融株は下げ渋る動き。メリルリンチの思い切った行動は、金融株のアク抜けにつながるのか。住宅価格は相変わらず下げ続けているようです。GDPは、在庫調整の影響が大きいようですね。7月ISM製造業景況指数でも在庫の減少が目につきました。過剰在庫が無いのは良いのですが、何か緩やかに縮小していく気がします。
S&P500採用の企業の決算発表は半数以上が終わりました。傾向としては、金融と一般消費財セクターが悪い。それ以外では、市場予想を上回るものも多く、全体的に増益基調。
雇用統計について。雇用者数は、相変わらず悪い建設・製造以外にも、スタバなど他の業種にも雇用削減の動きが広がっています。失業率の上昇は、10代の雇用者数が減った影響が大きい模様。10代の失業率は、20.3%と1992年以来最悪の水準です。夏季の間に働きたい学生の仕事がなかなか無いのでしょう。あと、パートタイマーの割合がじわじわと増え続けています。時間当たりの賃金は微増ですが、インフレ率には及ばず。消費者の懐は苦しそうです。
今週は、FOMCが開かれます。金利は据え置きが予想されます。声明文で、利上げ姿勢をどう示すかが注目されるでしょう。当分、利上げは無理そうってなったら、ドルが売られそうな気がします。金利先物の動きは、8月、9月のFOMCでは据え置き、10月FOMCで上げるかもって程度。個人的には、少なくとも今年いっぱいは利上げは無理でしょ、って思っています。
★日本
週間では、日経平均は-1.80%、TOPIXは-1.95%の下落でした。指数の動き以上に、決算発表後の株価の反応が激しく、大きく売られる銘柄が多かったです。任天堂は増益決算でしたが、ストップ安まで売られました。
決算発表で大幅安になる銘柄が多かった反面、電力、食品、通信、JRなどが買われていました。わからんかったらノーポジに出来る個人投資家と違って、フルインベストしないといけない機関投資家は、常に何かを保有していなければいけないわけで、そういった機関投資家の資金がディフェンシブセクターに逃げ込んでいるのでしょう。
個別の決算について。細かく見ていないので、間違った認識をしているかもしれませんが、ざっと書きます。
・半導体関連、機械株(設備投資関連)の決算発表の数字が悪かったです。建機も先行き不透明になってきたか。株価の反応も叩き売られる銘柄が多数。
・銀行は貸倒引当金が増えている模様。特に地銀の決算が悪い。中小企業の経営がかなり厳しいと思われます。
・電力の決算は原油高でひどいことになってましたが、ディフェンシブセクターということで、株価にはあまり影響はなかったです。
・商社は、最初に発表した住友商事の時こそ買われましたが、その後に発表していった三菱商事などは期待ほど良くなかったためか、売られることが多かったです。決算の数字自体は安心して見ていられるものでした。
・不動産は、都心部オフィス賃貸で稼げる財閥系の決算はそんなに悪くなかったですが、アセマネやフージャースなど流動化関連&マンデベの新興不動産はひどい決算で、株価も叩き売られました。不動産でまだOKなのは、オフィス賃貸だけでしょう。あまり見てないですがREITも同様だと思います(住宅系REITとかは止めた方が良いと思います)。
・食品は値上げがうまくいって、好決算のところが多かったです。日清食品、日清製粉、山崎パンなど。生活必需品は、買わないと生きていけないですからね。
・大手鉄鋼は、値上げ交渉がうまくいって通期業績予想を上方修正しました。その分、鋼材の買い手である自動車メーカーなどがコスト高で苦しんでいます。生活必需品でないものは、なかなか値上げしづらいですからね。
・デンソー、豊田自動織機などが下方修正を発表し、トヨタ関連企業全体が大きく売られました。今週木曜日に発表されるトヨタの決算が注目されます。
・海運は、米経済の減速でコンテナ船がだめっぽいです。バラ積み船は好調。燃料コストはきつい。バラ積み船のウェイトが高い商船三井の決算が好調でした。
・今まで原油高で苦しんできた製紙や化学は、決算の数字はそんなに良くないものが多かったですが、株価は上昇するものが多かったです。足下の原油価格が落ち着いているので、今後は今までの値上げが効いてくるってことでしょうか。
全体的に、輸出製造業の決算が悪いのが目につきました。貿易統計でも輸出が減ってきていますし、鉱工業生産にも陰りが出てきていて、政府の判断も景気後退局面入りになるようです。輸出企業の今期業績予想は、上半期は良くないけど下半期に回復する、という見通しが多かったので、この前提が疑わしくなると、株価の動きも厳しくなるのではないかと思います。株価の水準自体は安いと思うのですけどね・・・先行き不透明だとなかなか買い手が現れないのではないでしょうか。強気材料は円安方向で為替が安定していること。
★為替
ドルが買われ、ユーロが売られました。経済指標をみると、ユーロ圏はじわじわ景気が悪くなっているようです。一方、インフレ圧力は相変わらず強いみたいで、ECBはどうするのでしょう・・・。
★商品
原油価格は、じわりと上昇。120ドル付近がサポートになっているようです。そう簡単に暴落はしてくれないか。
★今週の予定
4日(月)
6月個人所得(米)
6月個人支出(米)
6月PCEデフレーター(米)
5日(火)
7月ISM非製造業景況指数(米)
FOMC政策金利発表(米)
シスコ決算発表
6日(水)
6月景気動向調査・速報(日)
フレディマック、AIG決算発表
7日(木)
6月機械受注(日)
6月中古住宅販売保留(米)
週間新規失業保険申請件数(米)
トヨタ決算発表
8日(金)
7月景気ウォッチャー調査(日)
第2四半期非農業部門労働生産(米)
第2四半期単位労働費用(米)
MBIA決算発表
ふう、今週は結構書いた。長文乙。
週間では、ダウは-0.39%、ナスダック指数は+0.02%、S&P500は+0.21%でした。週ベースでは前週末終値とあまり変わらない水準となりましたが、日毎ではダウが±200ドルを繰り返す、値動きの荒い展開でした。前週末に2行の地銀が破綻したことから、週初から大幅安。今週末もまた新たに1行が破綻しています(今年8件目)。メリルリンチがサブプラCDOを売却し資金調達を成功させたことから、火曜日は大幅高。ADPの雇用者数が予想外のプラスになったことから水曜日も大幅高。木曜日は、第2四半期GDPの伸び率が予想を下回ったことから大幅安。金曜は、GMの大赤字決算が出るも、雇用統計が予想から大きく外れなかったことから、比較的マイルドな下げ幅で終わりました。
金融株は下げ渋る動き。メリルリンチの思い切った行動は、金融株のアク抜けにつながるのか。住宅価格は相変わらず下げ続けているようです。GDPは、在庫調整の影響が大きいようですね。7月ISM製造業景況指数でも在庫の減少が目につきました。過剰在庫が無いのは良いのですが、何か緩やかに縮小していく気がします。
S&P500採用の企業の決算発表は半数以上が終わりました。傾向としては、金融と一般消費財セクターが悪い。それ以外では、市場予想を上回るものも多く、全体的に増益基調。
雇用統計について。雇用者数は、相変わらず悪い建設・製造以外にも、スタバなど他の業種にも雇用削減の動きが広がっています。失業率の上昇は、10代の雇用者数が減った影響が大きい模様。10代の失業率は、20.3%と1992年以来最悪の水準です。夏季の間に働きたい学生の仕事がなかなか無いのでしょう。あと、パートタイマーの割合がじわじわと増え続けています。時間当たりの賃金は微増ですが、インフレ率には及ばず。消費者の懐は苦しそうです。
今週は、FOMCが開かれます。金利は据え置きが予想されます。声明文で、利上げ姿勢をどう示すかが注目されるでしょう。当分、利上げは無理そうってなったら、ドルが売られそうな気がします。金利先物の動きは、8月、9月のFOMCでは据え置き、10月FOMCで上げるかもって程度。個人的には、少なくとも今年いっぱいは利上げは無理でしょ、って思っています。
★日本
週間では、日経平均は-1.80%、TOPIXは-1.95%の下落でした。指数の動き以上に、決算発表後の株価の反応が激しく、大きく売られる銘柄が多かったです。任天堂は増益決算でしたが、ストップ安まで売られました。
決算発表で大幅安になる銘柄が多かった反面、電力、食品、通信、JRなどが買われていました。わからんかったらノーポジに出来る個人投資家と違って、フルインベストしないといけない機関投資家は、常に何かを保有していなければいけないわけで、そういった機関投資家の資金がディフェンシブセクターに逃げ込んでいるのでしょう。
個別の決算について。細かく見ていないので、間違った認識をしているかもしれませんが、ざっと書きます。
・半導体関連、機械株(設備投資関連)の決算発表の数字が悪かったです。建機も先行き不透明になってきたか。株価の反応も叩き売られる銘柄が多数。
・銀行は貸倒引当金が増えている模様。特に地銀の決算が悪い。中小企業の経営がかなり厳しいと思われます。
・電力の決算は原油高でひどいことになってましたが、ディフェンシブセクターということで、株価にはあまり影響はなかったです。
・商社は、最初に発表した住友商事の時こそ買われましたが、その後に発表していった三菱商事などは期待ほど良くなかったためか、売られることが多かったです。決算の数字自体は安心して見ていられるものでした。
・不動産は、都心部オフィス賃貸で稼げる財閥系の決算はそんなに悪くなかったですが、アセマネやフージャースなど流動化関連&マンデベの新興不動産はひどい決算で、株価も叩き売られました。不動産でまだOKなのは、オフィス賃貸だけでしょう。あまり見てないですがREITも同様だと思います(住宅系REITとかは止めた方が良いと思います)。
・食品は値上げがうまくいって、好決算のところが多かったです。日清食品、日清製粉、山崎パンなど。生活必需品は、買わないと生きていけないですからね。
・大手鉄鋼は、値上げ交渉がうまくいって通期業績予想を上方修正しました。その分、鋼材の買い手である自動車メーカーなどがコスト高で苦しんでいます。生活必需品でないものは、なかなか値上げしづらいですからね。
・デンソー、豊田自動織機などが下方修正を発表し、トヨタ関連企業全体が大きく売られました。今週木曜日に発表されるトヨタの決算が注目されます。
・海運は、米経済の減速でコンテナ船がだめっぽいです。バラ積み船は好調。燃料コストはきつい。バラ積み船のウェイトが高い商船三井の決算が好調でした。
・今まで原油高で苦しんできた製紙や化学は、決算の数字はそんなに良くないものが多かったですが、株価は上昇するものが多かったです。足下の原油価格が落ち着いているので、今後は今までの値上げが効いてくるってことでしょうか。
全体的に、輸出製造業の決算が悪いのが目につきました。貿易統計でも輸出が減ってきていますし、鉱工業生産にも陰りが出てきていて、政府の判断も景気後退局面入りになるようです。輸出企業の今期業績予想は、上半期は良くないけど下半期に回復する、という見通しが多かったので、この前提が疑わしくなると、株価の動きも厳しくなるのではないかと思います。株価の水準自体は安いと思うのですけどね・・・先行き不透明だとなかなか買い手が現れないのではないでしょうか。強気材料は円安方向で為替が安定していること。
★為替
ドルが買われ、ユーロが売られました。経済指標をみると、ユーロ圏はじわじわ景気が悪くなっているようです。一方、インフレ圧力は相変わらず強いみたいで、ECBはどうするのでしょう・・・。
★商品
原油価格は、じわりと上昇。120ドル付近がサポートになっているようです。そう簡単に暴落はしてくれないか。
★今週の予定
4日(月)
6月個人所得(米)
6月個人支出(米)
6月PCEデフレーター(米)
5日(火)
7月ISM非製造業景況指数(米)
FOMC政策金利発表(米)
シスコ決算発表
6日(水)
6月景気動向調査・速報(日)
フレディマック、AIG決算発表
7日(木)
6月機械受注(日)
6月中古住宅販売保留(米)
週間新規失業保険申請件数(米)
トヨタ決算発表
8日(金)
7月景気ウォッチャー調査(日)
第2四半期非農業部門労働生産(米)
第2四半期単位労働費用(米)
MBIA決算発表
ふう、今週は結構書いた。長文乙。
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しかし、日本を代表する輸出企業の業績が厳しいとなると日経平均の動きも難しい感じになって来ますね。金融株は決算どう見たら良いのか良く分からないですし、僕もしばらくはディフェンシブ中心の取引になりそうです。
輸出企業の動きは心配ですね。トヨタ、コマツ、ファナックあたりが崩れてきているのが、すごく嫌な感じです。日経平均のレンジが押し下げられるかもしれませんね。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-30272820080212
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT812037720080212
大丈夫っていうところに限って大丈夫じゃなかったような気がします。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080606-00000020-dwj-biz
まあ、でも最近はモーゲージ保険やってる部門がおかしいことになってたりしていて、決算も芳しくないでしょうね。
http://jp.youtube.com/watch?v=i0H7tjca7pI
ホント、よく考えないといけませんね。
保険は各社、色々と事情がありそうですね。