覚えるほうも大変でしょうけれど、教えるほうも大変ですね。
私はしばらく、覚えることも教えることもなさそうです
稽古とは 一より習ひ 十を知り
十よりかへる もとのその一
「利休百首」
その次には再び初めの一にもどって、また改めて二、三、四、五と順に進む、
ということを歌っています。
初めて一を習うときと、十から元の一にもどって、再び一を習うときと、
その習う人の心は全く変わっているものです。
「利休百首ハンドブック」 淡交社 編集局編 の解説より抜粋
利休百首とあって、もともと茶道の心得を歌ったものですが、
私はこの歌を、お稽古の時はもちろん、仕事の時に時々思い出します
以前、仕事でよく使うファイルの一番前のページに、
得意客からのメールをプリントアウトして入れていたことがあります。
これは、私が大失敗をして、その得意客に迷惑をかけた時に送られてきたメールで、
会社に対する苦言が書かれていました。
私の会社での役割分担のまずさや他支店の対応の悪さやクレーム処理の遅さ、
などが書かれており、直接私や私のミスには触れていませんでした。
私の味方は社外にもいたんだ…、と思うと、ウルウルしてしまいました
現在私はその仕事とも会社とも離れてしまいましたが、
そのメールは今でも私の本棚にある仕事ファイルに入れています。
凹んだ時や「何となく」読み返したくなる時があり、
一読すると気持ちを立て直すことが出来ます
なお、「利休百首ハンドブック」解説の最後には、以下のように書かれております
十まで習ったから、これでもう良いと思った人の進歩は、
それで止まってしまいます。