仕事先でのお昼休みや外出先で風邪薬や頭痛薬などを飲みたいとき、コーヒーやお茶で飲んでしまうことってありますよね。しかし、注意書きには「水かぬるま湯で飲むこと」とあります。どうしてコーヒーやお茶で飲んではいけないのでしょうか。
■ 成分どうしが作用してしまうから
私たちが飲む薬も、清涼飲料水なども、入っている成分すべてを理解して飲んでいることは少ないと思います。知らない成分どうしが作用してしまうことで薬の効き目が半減したり、思わぬ効果が出てしまうことを防ぐために何も入っていない水かぬるま湯で飲むことが常識とされているのです。効果が半減すれば薬が効かないと思って大量に摂取して副作用が起こったり、成分の重複作用で体調不良やショック状態が起こったりと恐ろしい事態にもなりかねません。
■ 飲み合わせが悪いのは
たとえば、風邪薬や頭痛薬をコーヒー・紅茶・玉露茶などで飲むと、お互いに入っているカフェインが重複してしまいます。カフェインには解熱鎮痛作用があるため風邪薬や頭痛薬に配合されていますが、過剰摂取になると逆に頭痛や胃痛を促進させるばかりか、緊張や不安感、イライラ、脱水を引き起こします。特に缶コーヒーなどのコーヒー飲料はカフェインが多いので注意が必要。抗菌剤や抗生物質を牛乳で飲むと、薬の有効成分が牛乳のカルシウムと結合し、効果が弱まってしまいます。牛乳以外でもマグネシウムや鉄分の入った栄養剤やミネラルウォーターも効果を下げてしまうため薬と一緒に飲んではいけません。せっかく治療のために飲んでいる薬の効果が弱まるのは避けたいものです。
■ どのくらい時間を空ければ飲んでもいいの?
薬と一緒に飲んではいけないのはわかったけれど、薬を飲む前後にどのくらい空ければ悪い飲み合わせを回避できるのでしょうか。胃腸の中で薬と一緒にならないようにするには、2時間くらい空けるのが良いとされています。投薬しているときには食後のコーヒーは我慢してカフェインレスの飲み物にしましょう。抗生物質を飲んでいるときの乳製品やミネラルウォーターも我慢です。
■ ほかにも注意!
© Nanapi 提供 水じゃなきゃダメ?このほか、グレープフルーツ(ジュース)は薬剤の作用を強くする効果があるため、抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬に多い)高脂血症治療剤・血圧降下剤・抗精神薬と一緒に飲んではいけません。注意を守って症状の改善を待ちましょう。