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2月3日の海外株式・債券・為替・商品市場
2月3日の海外株式・債券・為替・商品市場
欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎NY外為:ドルが7年ぶりの大幅安-複数利上げシナリオを疑問視
3日のニューヨーク外国為替市場でドルが下落。米金融政策当局が7年前に債券購入プログラムの開始を発表して以来の大幅安となった。米国の景気が減速している兆候が示され、米国とその他中央銀行との金融政策の間に開きがあるとの見方が後退した。
ドルは主要9通貨に対して1.7%を超える下げとなった。米国の経済成長が減速しているとの懸念が背景にある。
BNPパリバの外為トレーディング責任者、ピーター・ゴラ氏は「通貨市場は金利市場と反目してきたが、ここに来て金利市場に軍配が上がっている」と述べ、「米金融政策当局が予測する4度の利上げに対して、市場では年内の利上げ見通しは0.7回となっており、双方の見解には隔たりがある。どちらかが間違っている」と続けた。
世界的な需要減をめぐる懸念と成長減速への政策当局者の対応を背景に、為替市場は混乱している。
ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は1.7%低下。一時は1.9%低下と、2009年以来で最大の落ち込みとなった。ドルは対円 で1.7%安の1ドル=117円90銭。ドルは対ユーロで1.7%下げて1ユーロ=1.1105ドル。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)とのインタビューで、「金融市場と一連の経済データに起きた現象について、成長見通しおよびこの先の成長通しへのリスクが変わる過程である可能性を示すものとして」金融政策当局者は「認識している」と述べた。
朝方発表発表された1月の非製造業総合景況指数は2014年以来の低水準となり、経済成長見通しを暗くした。
先物市場の動向によれば、年末までのフェデラルファンド(FF)金利実効レートは0.495%と予想されている。これは0.25ポイントの追加利上げを示唆する水準の0.625%よりも現在の実効レートである0.38%に近い。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、5日に発表される1月の米雇用統計では雇用者の増加幅が昨年9月以来初めて20万人を下回ると予想されている。雇用統計の内容次第では、ドル売り継続が決定的になる可能性がある。
クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏(ロンドン在勤)は「リスクオフの長期化は追加引き締めという点で金融当局の行動を抑制すると、市場は予測しているようだ」と述べ、「ドルが継続的な売り圧力を脱するには、この日に加えて5日発表の米統計が予想を下回る内容になる必要がある」と続けた。
◎米国株:上昇、一時の下げから反転-原油急反発で資源株が高い
3日の米株式相場は3日ぶり反発。世界経済の減速懸念が広がる一方、原油相場の上昇を受けて資源株が買われた。
この日は軟調な展開が続いていたが、午後に入り上昇に転じた。ドルが2009年以来の安値を付ける中で原油が8%超上げたことが手掛かり。
エネルギー株や資源株の上昇が幅広い上げにつながり、一時大きく下落していた銀行株も下げを縮めた。エクソンモービルやシェブロンが高い。フリーポート・マクモランも大幅高となった。
S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1912.53。一時1.6%安まで下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は183.12ドル(1.1%)上昇し16336.66ドル。
LPLファイナンシャル(ボストン)のチーフ経済ストラテジスト、ジョン・カナリー氏は「米国がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念からドルが押し下げられ、金融当局の利上げも討議事項ではなくなった可能性がある」と分析。「それと石油輸出国機構(OPEC)のニュースや原油値上がりが相まって、米国株はこの日の高値に上げている。
きょうの株式相場は全てが原油次第という状況だ」と続けた。
株式相場はこの日、上げ下げを繰り返す展開となった。経済指標を受けて米経済の力強さに対する懸念が再燃した一方、ドルの大幅下落が寄与して原油が大きく上げ、資源株を押し上げた。
この日発表された米供給管理委員会(ISM)非製造業総合景況指数は、ほぼ2年ぶりの低水準となった。製造業の長引く弱さが米経済の他分野にも広がり始めているリスクが高まった。
一方、1月の米民間雇用者数は20万5000人増と、市場予想を上回る伸びとなった。市場の注目は5日に労働省が発表する1月の雇用統計に移る。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、雇用者数の19万人増が見込まれている。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1.5%下げて21.65。
ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「感情的で、センチメントに左右される相場展開だ。引き続き原油の動きに連動する可能性が高い」と分析。「前日は原油の大幅安が株式相場にも影響して下落した。投資家は神経質になっている」と続けた。
S&P500種の業種別10指数では、エネルギーと資源株の指数が特に大きく上昇。資本財・サービスや公益、電気通信サービスも1%超の上げとなった。金融株の指数は一時3%近く下げたが、その後下げを縮め、ほぼ変わらずで終了した。
◎米国債:年内利上げ、1回よりもゼロの方に傾く-先物が示唆
3日の米国債市場は年内の利上げに懐疑的であることをこれまでで最も鮮明に示唆した。
午前に発表された1月の非製造業総合景況指数が2014年2月以来の低水準となり、債券市場は年内利上げについてゼロの方に傾いた。同指数は米国債の支援材料にもなり、10年債利回りは1年ぶり低水準に下げた。昨年12月に米金融政策当局が予想した今年4度の利上げについて、債券市場では1月に入ってから懐疑的な見方が広がっている。
先物市場動向によれば、年末までのフェデラルファンド(FF)金利実効レートは0.51%と予想されている。一時は0.47%まで低下した。これは0.25ポイントの追加利上げを示唆する水準の0.625%よりも現在の実効レートである0.38%に近い。先物市場は連邦公開市場委員会(FOMC)が12月14日かそれ以前の会合で利上げを決定する確率を47%として織り込んでいる。昨年末時点での確率は93%だった。
BNPパリバのG10金利戦略責任者を務めるローレンス・マトキン氏(ロンドン在勤)氏は「資産市場の価値下落は金融条件の引き締めと同じだ」と述べ、「引き締めを意味する以上、金融政策にも影響するだろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.89%。同年債(表面利率2.25%、償還2025年11月)価格は3/8安の103 7/32。利回りは一時、1.79%と2015年2月以来の低水準を付けた。
インフレ期待に敏感な長期利回りが上昇する一方、短期利回りはほぼ変わらずとなり、前日に2年債と10年債の利回り差を2008年以降で最小にさせたトレンドが反転した。ドルが軟化し、原油相場が8%急伸したことが反転の背景にある。
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントの運用担当者、ジャック・マッキンタイア氏は「ドルが軟化すると、米国のデフレ圧力が幾らか緩和される。市場はこのようなことに非常に敏感になっている」と述べた。
今年に入って以来、商品相場の下落で世界の経済成長や物価が抑制されるとの思惑から安全性を求める買いが米国債に入っている。シティグループの経済サプライズ指数によると、米経済指標は昨年6月以降で最も大きく予想を下回っている。金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数は2012年以来、目標である2%に達していない。
それでもインフレ連動国債(TIPS)はこの日上昇した。財務省はTIPSの発行額を縮小すると発表した。
日本銀行がマイナス金利の導入に踏み切った1月29日以降、米国債のリターンは0.5%となっている。年初来では2.7%。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)とのインタビューで、前回12月のFOMC会合当時よりも「金融の状況は著しくタイト化している」と指摘しながらも、「何らかの確定的な結論を引き出すのは、やや時期尚早だ」と述べた。米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は1日、最近の金融市場の混乱や中国をめぐる不透明感が米国経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局者は次の行動を決められないとの見解を示した。
◎NY金:上昇、3カ月ぶり高値-逃避需要や米利上げ観測後退で
3日のニューヨーク金先物相場は上昇し、3カ月ぶりの高値に達した。安全への逃避買いが強まった。米追加利上げの観測は後退している。
フルクラム・アセット・マネジメントの商品調査ディレクター、フィオナ・ボール氏は「いろいろな要因が重なって金を支えている。その一つは米金融当局の今後の行動に関するセンチメントの変化だ」と指摘。「それに加えて、株式相場や他の商品の下落を背景に市場は世界の経済情勢について神経質になっており、金への資金配分が増えている」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比1.3%高の1オンス=1141.30ドルで終了。通常取引終了後には一時1146.20ドルと、昨年10月30日以来の高値をつけた。金は昨年10月28日以降で初めて200日移動平均線を上回った。
銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウムとプラチナも値上がりした。
◎NY原油:急反発、ドル下落で-記録的高水準の米在庫響かず
3日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が急反発。米原油在庫が大幅増加し1930年以降で初めて5億バレルを超えたものの、市場ではドル下落による影響の方が大きかった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時1.9%低下し、これを受けて商品相場全般が上昇した。
コンサルティング会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州ヴィラノヴァ)のスティーブン・ショーク社長は「原油在庫が最後に5億バレルを超えていたのは、ベーブ・ルースがヤンキースでホームランを連発していた時代だ。しかしドルの方が市場の強い関心を集めた」と語った。「この日は米エネルギー情報局(EIA)ではなく、米金融当局が原油市場に影響した」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比2.40ドル(8.03%)高い1バレル=32.28ドルで終了。前日までの2日間で11%下げ、2日間での下げとしてはほぼ7年ぶりの大幅だった。ロンドンのブレント4月限は2.32ドル(7.1%)高い35.04ドル。
◎欧州株:3日続落、銀行株が安い-決算失望と景気懸念で売り膨らむ
3日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は3日続落となった。世界の経済成長に対する懸念が広がる中、企業決算が注目された。銀行株の下げが目立った。
デンマークの医薬品メーカーであるノボ・ノルディスクは7.6%、オランダの通信会社ロイヤルKPNは1.2%それぞれ下げた。両社の第4四半期利益はいずれも予想を下回った。
業種別指数の中で銀行銘柄は最もきつい値下がりで、2012年以来の安値を更新した。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数がほぼ2年ぶりの低水準となったことを背景に、株価指数は下げ幅を拡大した。
ストックス600指数は前日比1.5%安の329.43で終了。3日続落はここ2週間で最長となる。一時プラス圏に戻す場面もあったものの、長続きしなかった。
KBCアセット・マネジメントの投資運用部門責任者、ダーク・ティールズ氏(ブリュッセル在勤)は「経済状態が大きく変化していない状況で、相場調整の度合いは正当化できない」とし、「センチメントはいまだに冷え込んだままだ。中身を見てみれば、ファンダメンタルズはかなり堅固なようだ。当社は株式のポジションを増やした。相場の手掛かりを得るために企業決算に注目するだろう」と語った。
銀行株ではイタリアのバンコ・ポポラーレとポポラーレ・ディ・ミラノ銀行が下げを主導。両行の膨大な不良債権が売り材料となった。
一方、スイスの農薬・種子メーカー、シンジェンタは2.7%値上り。中国の化学メーカー、中国化工集団(ケムチャイナ)による430億ドル強の買収提案を受け入れた。
◎欧州債:独2年債利回りマイナス0.5%割れ-米指標とECB期待で
3日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。米経済指標が失望を誘う内容だったほか、欧州中央銀行(ECB)の緩和拡大への期待は根強く、需要が高まったドイツ債の2年物利回りは初めてマイナス0.5%を下回った。
30年物利回りも昨年5月以来の1%割れとなったほか、8年物利回りは4月以来のマイナス圏に低下。欧州株安を背景に、ユーロ参加国の他の国債も上げ幅を拡大。米ISM非製造業総合景況指数は約2年ぶりの低水準となり、これも国債需要を高めた。
利回りがマイナス圏入りする国債は域内で増え、ブルームバーグ・ユーロ圏ソブリン債指数の構成銘柄ではその規模が2兆4000億ドルに達した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が3月にも緩和策を拡大する用意があると示唆していることも、こうした相場展開を後押ししている。ブルームバーグ集計データによれば、ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)のフォワードレートはECBが3月に中銀預金金利を0.1ポイント引き下げると完全に織り込んでいる。
ブルーベイ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、マーク・ダウディング氏は3月の中銀預金金利の引き下げ幅を「市場はもはや0.1ポイントではなく、少なくとも0.2ポイント求めている」とし、「量的緩和の期間延長も求めている。ドラギ総裁がこれを上回る措置を講じるのは難しいだろう」と語った。
ロンドン時間午後4時27分現在、ドイツ2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のマイナス0.497%。一時はマイナス0.502%と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1990年以降の最低を記録した。同国債(ゼロクーポン、2017年12月償還)価格は0.035上げて100.93。
ドイツ10年債利回りは3bp低下し0.28%。昨年4月29日以来の低水準となる0.26%まで下げる場面もあった。30年物利回りは6bp低下の0.99%、8年物利回りはマイナス0.009%までそれぞれ低下した。
低下を続ける国債利回りは、投資家に矛盾ももたらしている。
ドイツがこの日実施した2021年4月償還債の入札では応札額が47億5000万ユーロと、政府目標の50億ユーロに届かなかった。
既発の5年債利回りはECBの預金金利の水準であるマイナス0.3%を数日前に初めて下回っている。平均落札利回りはマイナス0.24%と、前回入札時点のマイナス0.08%を下回った。
ブルームバーグ抜粋
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