★イラン核開発疑惑から、長い間イランへの経済制裁が行われ、
欧米圧力を受けて、親日国(イラン)からやむなく石油権益撤退の経緯ありました。
また、イラン側の対抗措置(ホルムズ海峡封鎖危機)により、原油高騰もありました。
ロシア、北朝鮮とは違い、話し合い解決できたことは喜ばしいニュースです。
今後:プラス面 :欧米、日本などの企業による、イラン参入 商談増加。
マイナス面:原油価格低迷(長期化)による、オイルマネーの株式市場からの
流出増加。しばらくすると、イランから投資マネー流入か。
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イラン経済制裁解除を決定 6か国と共同声明
16日、IAEAの本部があるオーストリアのウィーンで、6か国側の調整役を務めるEU=ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表とイランのザリーフ外相が会談し、その後、共同声明を発表しました。
このなかで、双方はIAEAによって核開発の制限が確認されたことを明らかにし、「きょう、イランの核開発に関連する経済制裁は解除される」と述べました。
一方、アメリカのオバマ大統領も16日、イランの核開発に関連する経済制裁を解除するため大統領令を出しました。
イランの核開発問題は「中東最大の火種」と言われ、経済制裁を強める欧米などに反発したイランが、原油の主要な輸送路であるペルシャ湾のホルムズ海峡の封鎖を示唆するなどして、軍事的な緊張も高まりましたが、発覚から14年目で大きな節目を迎え、この問題で孤立を深めたイランの国際社会への復帰に弾みがつくことになります。
国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長が、「核の拡散という国際社会の懸念を前に、対話と忍耐によってもたらされた成果であり、中東にとどまらず世界の平和と安定に寄与することを希望する」という声明を発表するなど、国際社会からは歓迎する意向が示されました。
一方、アメリカのケリー国務長官は、イランに対する懸念がなくなったわけではないとして、今後もイラン国内の状況を注意深く監視していく必要があるという考えを示しました。
また、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は声明で、「イランは核武装の野心を捨てていない。イスラエルは自衛のために必要なことは何でもやる」と強調し、イランをけん制しました。
中東では、イランと外交関係を断絶したサウジアラビアなども、国際社会との対話を進めるイランの影響力が増すことに警戒感を強めていて、この地域の新たな火種となっています。
岸田外務大臣は、「政府は、最終合意が履行の段階に至ったことを歓迎するとともに、その履行を積極的に支援していく。また、国連安全保障理事会の決議の規定に基づく措置を速やかに実施する」とするコメントを発表しました。そのうえで、「日本として、この重要な進展を契機として、イランとの伝統的友好関係を一層強化していくとともに、最終合意の着実な履行に積極的に協力し、イランが地域・国際社会との信頼醸成を進め、中東地域の平和と安定の実現に向け、一層の役割を果たすよう、後押ししていく」としています。
イランは、原油の埋蔵量が世界4位、天然ガスの埋蔵量が世界1位の資源大国です。このうち、原油についてイランは、制裁解除から半年の間に生産量を日量100万バレル上積みしたうえで、2021年までに世界3位の生産国ロシアに次ぐ、およそ500万バレルの生産を目指すとしています。
また、主要産業の自動車でも、国内での生産台数を10年後までに、現在のおよそ3倍にあたる年間300万台に引き上げる目標も掲げています。
イランは、中東最大級の7800万の人口をかかえ、将来有望な消費市場としても注目されていて、ビジネスチャンスの拡大を狙うヨーロッパやアジアの企業が、去年7月の最終合意の直後から激しい進出競争を繰り広げています。
イランの経済成長率について、世界銀行は、制裁解除に伴う原油の増産などで、2017年度には7%近くに達すると予測しています。