(7/4 日経新聞web刊)
ギリシャのつまずきのきっかけは2001年のユーロ導入にさかのぼる。
1999年のユーロ発足時には参加基準を満たせなかったギリシャだが、財政赤字の削減など改革をアピールし、00年の欧州連合(EU)首脳会議でユーロ圏への参加が承認された。
ユーロ導入によりギリシャで変わったのは金利だ。
信用の低かったドラクマからユーロへの切り替えで低利の資金調達が可能になり
04年のアテネ五輪に向けた公共事業やEU基金を活用した地下鉄整備、空港建設などの公共事業が至るところで進められた。00年に4%だった経済成長率は03年には6.6%に上昇。EU最貧国と呼ばれていたギリシャにとってユーロは経済成長の起爆剤となった。
しかし、借金漬けの好景気は長く続かなかった。09年10月に就任したパパンドレウ首相(当時)は、前政権が多額の財政赤字を計上していなかったことを公表した。国内総生産(GDP)の3.7%と公表していた09年の財政赤字は粉飾されており、12.7%に修正された。
「財政赤字はGDP比3%以内」というユーロ参加国の基準から実態が大きくかけ離れていたため、
国債利回りは急上昇し、ギリシャは自力での資金調達が困難となった。
EUやIM)等に助けを請い、10年5月以降、総額2400億ユーロの金融支援を受けた。
だが政府が支援と引き換えに求められた緊縮策の実行は不十分なままだ。
約束を果たせば国民は離反し、政権の座から降ろされるからだ。
増税や公務員給与カット等の歳出削減策は国民の反発を招き、デモやストライキが頻発する。
政治は混乱が続く。
昨年12年5月の総選挙では反緊縮を掲げる急進左派連合(SYRIZA)が躍進した。
15年1月にはSYRIZA主体のチプラス政権が発足。
EUとの亀裂は深まる一方で債務は膨れあがり、自力返済は困難になった。
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こうしてみるとギリシャ経済は
アテネオリンピックが開催された2004年頃が最盛期だったのかも知れません。
しかし財政赤字を粉飾で隠していた訳ですから、見せ掛けの繁栄に過ぎませんが。
ギリシャがユーロに加盟したことでEUは巨額の経済支援を余儀なくされ
実質的には主にドイツを初めとするユーロ加盟国の国民が皺寄せを被ったことになります。
またIMFも多額の損失を被る恐れがありますが
元々日本を筆頭に世界各国から資金提供を受けて運営しているだけなので
ギリシャが返済不能に陥ったとしても、痛くも痒くもありません。
IMFは米国公認の金貸しですから、資金不足に陥れば真っ先に日本に金を出せと迫って来るでしょう。
因みに粉飾の事実を知っていたG.Sは、当然ギリシャ経済の破綻を予測出来た筈ですから
2010年のギリシャ危機でも一儲けしたことでしょう。
結局一連のギリシャ騒動で一番良い思いをしたのはG.Sという
何とも皮肉な結末を迎えようとしています。
ギリシャ国民投票間もなく開始(NHKニュースweb 7/5 12:09)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150705/k10010139401000.html