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転換線の攻防

六月二十九日の日経平均は、20109.25,-596.20という大きな下げとなった。ドル円も122.51と窓を開けてドル安円高へ。ギリシャのデフォルト懸念は大きく市場を動かした。そもそもギリシャ問題解決への根拠のない期待から、日経平均は上げていた。東京の株は為替の動きからも大きくかい離しており、いささかミニバブルの様相を呈していた。為替は週足転換線近辺にあり、株も今日の下げで転換線近辺に来ており、その意味では株もさしあたりは妥当な水準に戻ったとも言えるかもしれない。しかし為替自体が、実効為替レートから見ると相当なかい離があるとされている。将来の日米金利差の拡大を見込んで、円安に振れていると思われるが、ギリシャ危機がアメリカの利上げの先送りにつながれば、為替も一段の円高へとふれる可能性がないとは言えない。一方アメリカの利上げが予定通り進んでゆけば、金融緩和で膨らんだダウは、業績相場に入る前にいったん縮小するであろう。いずれにせよ、先行きには注意が必要だ。マーケットとしては当面週足の転換線20105を守り切れるか、ドル円も122.38が維持できるか、が焦点だ。正直かなり苦しいのではないか、と思われる。

 

ギリシャについては、まことに大雑把な話で恐縮だが、筆者の個人的な印象では、ギリシャ問題はユーロがギリシャにとっては高すぎるという単純な事実から来ている。(つまり、ギリシャにはそもそもユーロに入る資格はなかったということで)体力のないギリシャをユーロにつなぎとめるためには、ユーロ安で儲けているドイツからの所得再分配がない限り、根本的には解決しない。しかし国民国家の枠組みがあるかぎり、ドイツの納税者がギリシャを一方的に救済するというのは難しい。ドイツにその用意がなければ、ユーロ圏は、結局ギリシャを切り捨てるしかない。だがそれは最悪の場合には、ドミノ倒しのようにユーロを潜在的には崩壊へ導く可能性がある。ギリシャを切り捨てても、域内の経済格差を所得再分配で補う仕組みを作らない限り、問題は根本的には解決しないで再燃するだろう。さらにイギリスが問題にしている移民問題についていえば、アメリカのように移民を貪欲に吸収して成長の糧にするためには、移民の受け入れを是認し人種の平等を隅々まで確立しなければならない。だがそれは、今もってアメリカが苦悩するようにきわめて困難で、ぶ厚い国民国家の伝統を持つ欧州にその覚悟が本当にあるのか?大いに疑問だ。こう見てくると、ギリシャの危機、イギリスの離脱の危機は、とともにEUの本質にかかわる重大な岐路であることがわかる。人種差別のない、金融ばかりでなく財政も一体のヨーロッパ合衆国の建設に向かのか、それとも国民国家へ戻ってゆくのか。EU統合の歴史にもかかわらず、国民国家の壁はどうやらまだまだこの世を去らないようだ。

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