FOMCが終わり、今日から金融市場の視線はギリシャのデフォルトに集中すると思います。
ただこの問題は長らく燻り続けていただけに、株式市場は幾分織り込んだ可能性もありますが
一国がユーロから離脱するという事態は過去に例を見ないため
今後の株価予想をしてもあまり意味がないかも知れません。
そこで参考までに主要市場の株価水準を、今年の高値と直近の株価で比較してみました。
(今年の高値から直近の株価指数がどれだけ下落したかを示しています)
ドイツ(DAX) -12.0%
フランス(CAC40) -10.0%
イタリア(40) -8.3%
ギリシャ(総合) -27.9%
イギリス(FTSE100) -5.9%
NYダウ -2.1%
米S&P500 -1.4%
日経平均 -2.8%
ユーロ主要国は概ね10%の下落ですが、ダウは僅か2.1%に止まっています。
因みに2010年のギリシャショック(ギリシャの粉飾が明らかになった事件)時、ダウは-15%。
2011年のユーロ危機(イタリア・スペイン・ポルトガルなど南欧諸国に債務危機が拡大)では
-19%下落しています。
ただ今回は取り敢えずギリシャだけの問題であり
デフォルトに対する備えもある程度出来ていることから、そこまで下落するとは思えませんが
一時的に5%くらいの振幅は想定して置くべきではないでしょうか。(勝手な推測です)
しかし株式市場より大きな混乱が懸念されるのは債券市場で
ギリシャは当然のこと、スペインやポルトガルといった重債務国の国債金利が急騰し
債務危機の連鎖反応が生じるリスクが増大することだと思います。
無論ECBが金利の上昇を抑えるべく、出来る限りの手を尽くすと思いますが
2011年のユーロ危機がまだ記憶に新しいことから、暫く混乱が続くのではないでしょうか。
そこで今度は、EU主要国の国債金利の推移を振り返ってみます。
倍率は、今年に入り10年物国債の利回りが最低値から直近まで何倍になったかを示しており
( )内は直近の利回りです。
ドイツ 9.80倍(0.744%)
フランス 3.30倍(1.157%)
イタリア 2.05倍(2.304)
スペイン 2.04倍(2.388%)
ポルトガル 2.03倍(3.158%)
ギリシャ 1.54倍(13.038%:2年物30.174%)
御覧の様にドイツの長期国債金利は今年に入り何と10倍に跳ね上がっています。
また一般的に長期国債の金利と株価は逆相関することが多いため
株式投資を行う上では日米金利差も含め、金利の変動には充分注意して置くべきだと思います。
とにかく今は結果はどうであれ、ギリシャ問題の早期決着が待たれます。