「カラマーゾフの兄弟」

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2015/06/15 - 元祖SHINSHINさんの株式ブログ。タイトル:「「カラマーゾフの兄弟」」 本文:なんだけど、村上春樹が4回も読み返したっていうので、前々から気になっていた。なんでも、あんなに古くに書かれた小説なのに、現代にも通じる問題を多くはらんでいるのだという。

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「カラマーゾフの兄弟」

元祖SHINSHINさん
元祖SHINSHINさん

なんだけど、村上春樹が4回も読み返したっていうので、

前々から気になっていた。

なんでも、あんなに古くに書かれた小説なのに、

現代にも通じる問題を多くはらんでいるのだという。

 

新潮文庫の原卓也訳で3巻セット、もう1年ほど積ん読状態。

何度か読みかけるものの他の書籍に興味が移ったりして、すぐに挫折してしまう。

 

ところがこのあいだ新聞の文学欄にて、

ある女流詩人がやはり、読み始めてすぐに挫折してしまったのだという。

 

天の邪鬼なオイラは、じゃぁ読んでやろうじゃないかってんで、

もうすぐ上巻を読み終わる。

振り返ってみると、上巻の中盤まで読み進めることができれば、

あとはすんなり読みこなせそうな気がしてくる。

 

では、どうして多くの人が「カラマーゾフの兄弟」をすぐに挫折するのかというと、

登場人物が多いので、人物関係を掴むのに苦労して、

読む気が失せるのが最大の原因だと思われる。

 

ドストエフスキーは、あらかじめそういう読者が多いのを懸念したのであろう、

冒頭に数ページの「作者の言葉」というのを挿入している。

真面目な作家から見れば、こんなの反則だというのかも知れない。

でも恐らく、ドストエフスキーは複雑な人物関係を少しでも把握しやすくするために、

敢えて「作者の言葉」というのを挿入したのだと思う。

 

そんなわけで、「作者の言葉」のすぐ後ろには、

「第一篇 ある家族の歴史」という章をもうけて、

さらに人物関係のあらましを整理してみせる。

真面目な作家から見れば、こんなのホントウに反則だというのかも知れない。

それでもオイラには、ドストエフスキーは親切な作家に思える。

 

人物関係の把握さえできてしまえば、

読む気が失せることもない。

 

上巻では、主人公のアレクセイが、

若いころのエリック・クラプトンのようなしょーもない父親と、

しょーもない長男との争いごとに巻き込まれていく序盤が描かれている。

 

アレクセイは見習いの修行僧で、

とあるロシアのキリスト教会に奉仕している身だ。

 

てんかん持ちで、神秘体験も豊富だったドストエフスキーは、

宗教問題に詳しいので、

教会の中で持ち上がる宗教論争など、読んでいてオモロイ。

 

どーにもつまらないリアリストな脳科学者オリバー・サックスによれば、

ドストエフスキーの神秘体験はてんかん発作に起因すると、

どーにもつまらない常識的な判断をしている。

 

ドストエフスキーは、冗談の通用しない、

短気でクソ真面目な男だったらしい。

 

作品以前に、そういうオモロイ・エピソードをたくさんもっている

ドストエフスキーに、オイラはすでに惹かれている。

エリック・クラプトンと同じくその作品に触れれば、

きっとオイラを魅了してくれるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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