中長期的成長性に注目。しかも株価指標はかなり割安だ。3/15期の見込みEPS69.5をベースにするとたったの7.8倍。純資産倍率もようやく1倍を超えたばかり(前期推定で1.05倍程度だろう)。小型株ディスカウントが効いているとはいえ今後も堅調な成長が続くことを考えればまだまだ買える水準である。
第3四半期までの純利益達成率は85%を超えており、3/15期も上ぶれて終わりそう(EPS80円近くと仮定)なのに加えて、3/16期に仮に売上高5%増、利益10%増とした場合、EPSは90円近くになる可能性がある。すると現在の550円というのはPEで約6倍ということになる。
ではいったい何が成長ドライバーなのか。同社が手がける押出成形セメントがセメント職人不足の建設業界向けに需要を拡大しているからだ。工場であらかじめ成形してあるため現場における工期短縮に貢献している。もう一方の住宅用軽量外装材は住宅着工などの影響を受けやすいが(積水ハウスむけが売り上げの4分の1と多い)、商業ビル向けは2020年オリンピックに向けて平均10%程度伸びると考えてもおかしくない(ただしここでは控えめに同社売上高予想を5%としている)。
建設業界相手のビジネスの割には営業利益率は13%と高い(14年度第3四半期累計。前年同期の11.2%から1.8ptも上昇)。今期も出荷量が増えて工場稼働率が上がり、歩留まりが向上すればさらに利益率が上昇するだろう。
時価総額が去年までは100億円以下だったので市場の注目を浴びることはなかったが、今は130億円程度。今後着実に上昇することで長期的に小型株ディスカウントも少しづつ解消されていき、普通にPE10倍が付与されるようになれば1000円台への上昇も夢ではなかろう。