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中国、天津にて(16)

 中国、天津での住宅事情について、少し触れてみたいと思います。
 
 我が「海河(はいほう)」沿いの住居兼事務所について、以前から何度も触れていますが、基本的に中国都市部の住居は、集合型建造物が殆どで、戸建て住宅は皆無といってよいでしょう。
 大抵は4、5階建ての集合棟が5~10棟ほど周囲を囲む区画に建設されており、○○里××楼や△△園××楼というような住居表示がされています。

 この場合の○○里や△△園は、例えば都営住宅の●▲団地という団地名称に当たり、行政区画にもなっています。
 ××楼は、団地の◇◇号棟という表記に当たります。そして、部屋番号の401号室とか言う表記がされます。

 こうした住居群は、比較的新し目の住居群でして、もっと古くからの住居は、道路標記で表される事が多いようです。
 例えば、○×道◇◇号とか、△×路◇◇号とか、区画の角地の場合は、○×道△×路交口となります。

 少し郊外に出ると、道路標記に頼るしかありません。
 例えば、、○×道東側とか、△×路南側などということになり、広大な道沿いをテクテク歩いて目的の建物を探すことになります。

 住居表示に話が広がってしまいましたが、大抵工場以外は、人の住む住居は集合住宅になっているといって間違いありません。
 戸建ては、よっぽど田舎に行くが、最近の富豪用別荘くらいですが、その別荘も堅固な鉄柵や城壁に囲まれた区画にあり、護衛(守衛)のいる門から入場しないと、立ち入ることが出来ません。

 街中の○○里や××園も、最低でも高い鉄柵に囲われた区画の中に収まっており、立ち入るには守衛のいる正門か裏門をくぐって入る必要があります。
 また、園内も1棟の部屋の窓ごとには鉄柵が嵌っており、部屋のドアの入り口も2重3重に鍵とドアが取り付けられています。銀行の金庫の入り口を思わせる頑丈な盗難防止門の嵌った家も多くあります。
 従って、鍵は必須のアイテムで、住民の中には、数本の鍵を鎖につないで腰でジャラジャラいわせながら闊歩する人もいます。なんだか、最近の原宿当たりを練り歩く若者のファッションみたいにも感じますが、どうやらここら辺が若者ファッションのルーツなのかも知れませんね。
 

 中国庶民は、セコムや総合警備保障のお世話にならずとも、普段からこの程度の家財を守る手立てを講じており、泥棒や盗難対策にも抜かりがありません。
 中国でセコムや総合警備保障のビジネスモデルが定着するのは、まだ10年や20年は先になるのではないでしょうか。いや、もっとその先かも知れませんね。

 それにしても、庶民のセコム要らずのこの用心深さ、なんだか日本人は完全に忘れかけてやしませんか?
 こうした中国人庶民の知恵も、どうやら日本人の中からは退化しつつあるように感じます。

 かくゆう私も、最近、新事務所の必要性を感じ、友誼南路と黒牛城道の広大な新住区に一軒住居を見学に行きました。

 7階建ての1階以外1部屋毎にエレベーター付きのセキュリテー万全の部屋です。鍵はカード1枚で、エレベーターの入り口に、その部屋カードを挿入しなければ、エレベーターは作動しません。カードを入れて、入り口が開いたところが自分の部屋ということになります。これいいでしょうー!!

                      <つづく>
1件のコメントがあります
  • イメージ
    かいぶつくんさん
    2007/8/7 23:22
    窓ごとに鉄柵っていうのは、なんだか刑務所みたいで個人的には嫌いですけど、センスのいい鉄柵があればイメージ変わりそうですね。

    防犯意識の高いってことは、犯罪も多いっていうことなのでしょうか。
    それとも、歴史的な側面から意識を高くもって生活が身についた結果なのでしょうか。

    セコムみたいな警備会社ではなく、セキュリティシステムを開発している企業が成長しそうですね。(セコムも開発してますが・・。)
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