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マネーの公理/マックス・ギュンター を読んで

マネーの公理/マックス・ギュンター を読んでのでまとめます。
この本は私が投資家ではなく投機家に成ろうと思った本です。
著者の怜悧な知性と、投機をするも者への優しさが感じられます。
チューリッヒの小鬼とよばれた金融マフィアの一人を父親に持つ著者が、チューリッヒの投機家たちの
暗黙の了解を本にしたものです。


本書は最も広い意味での「賭け」についての本。
株式市場に限ったものではなく、商品・貴金属の取引、芸術やアンティークへの投機、不動産投機、日々の事業の丁々発止のやりとり、カジノやテーブルを囲んでのギャンブルにも適応できる。
利益として定義できるものを増やすためには自分の所有物や精神的な満足感をリスクにさらせねばならい。お金、時間、愛、何につけ、誓いを立てねばならない。それが非常な法則なのだ。
著者の父フランク・ヘンリーの言葉より。
「投機の方法も知らずに米国で育ている少年なんて、まるでショベルを持たずに金鉱にいるようなものじゃないか」
「給与だけで考えるな。給与では決して金持ちにはなれない。だから多くの人々が給与を貰って貧しくなる。自分のために、何かほかのものを持たなければならない。
お前に必要なのは投機だ、投機が必要なのだ」典型的なスイス人の言葉だった。

チューリッヒの公理
第一の公理 「心配は病気ではなく健康の証である。もし心配なことがないなら、十分なリスクをとっていないということだ。」
副公理1 いつも意味のある勝負に出ること
副公理2 分散投資の誘惑に負けないこと
第二の公理 「常に早すぎるほど早く利食え」
副公理3 あらかじめどれだけの利益が欲しいのかを決めておけ。そしてそれを手に入れたら投機から手を引くのだ。
第三の公理「船が沈みはじめたら祈るな。飛び込め」
副公理4 小さな損失は人生の現実として甘んじて受け入れよ。大きな利益を待つ間には何度かそういう経験をすると考えろ。
第四の公理「人間の行動は予測できない。誰であれ、未来が分かるという人を、たとえわずかでも信じてはいけない。」
第五の公理「カオスは、それが整然と見え始めない限り危険ではない。」
副公理5 歴史家の罠に気をつけろ
副公理6 チャーティストの幻想に気をつけろ
副公理7 相関と因果関係の妄想にきをつけろ
副公理8 ギャンブラーの誤謬に気をつけろ
第六の公理  「根を下ろしてはいけない。それは動きを鈍らせる。」
副公理9 忠誠心やノスタルジーといった感情のせいで下落相場に捕まってはいけない。
副公理10 より魅力的なものが見えたら直ちに投資を中断しなければならない。
第七の公理 「直感は説明できるものであれば信頼できる。」
副公理11 直感と希望を混同するな。
第八の公理 「宇宙に関する神の計画には、あなたを金持ちにすることは含まれていないようだ」
副公理12 占星術が当たるのであれば、すべての占星術師は金持ちであろう。
副公理13 迷信を追い払う必要はない。適当なところに置くことが出来れば楽しめる。
第九の公理 「楽観は最高を期待することを意味し、自信は最悪に対処する術を知っていることを意味する。楽観のみで行動してはならない。」
第十の公理 「大多数の意見は無視しろ。おそらくそれは間違っている」
副公理14 投機の流行を追うな。往々にして、何かを買う酒匂のときは、誰もがそれを望まないときである。
第十一の公理 「もし最初にうまくいかなければ、忘れろ。」
副公理15 難ピン買いで悪い投資をなんとかしようとするな。
第十二の公理 「長期計画は、将来を管理できるという危険な確信を引き起こす。決して重きを置かないことが重要だ。」
副公理16 長期投資を避けよ。

【まとめ】
よき投機家になろう。投資家と自分を飾る必要はない。投機家になることは決して恥ではない。むしろ投機を知らず金持ちになれるのか?
リスクを取ること以外、金持ちになる方法はない。リスクをとる代償は心配という状態であるが、それは人生のスパイスのようなものだ。
ただし、いつも意味のある勝負にでること。
利食いも損切りも引き延ばしてはいけない。早すぎるほど早く行え。
1回や2回、早めにやめるという決断が間違いだったとしても、12回・13回と場数が増えるにしたがってその決断は正しいものとなる。
長い目でみれば自分の欲望をコントロールすることは、より大きな儲けにつながる。
利食いや損切り後に、事態がさらに好転しても、それは投機家が常とする痛みなので、仕方がない。
全てはカオスの中にある。不確実性を理解できない我々人間は、カオスの中にパターンという幻想を見つけようとする。
投機家にとっては機動力が命。長期計画を立てて根を下ろしてはいけない。よりよい投機先が見つかれば、すぐにそちらに投機すべき。
最悪な事態に対処する術を持つということが自信につながる。
皆が買いたいときに買うことは本質的に高い買い物になる。
一つの掛けに執着するな。お金が稼げれば、どの賭けでもよい。


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