竹、月、力の物語11

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竹、月、力の物語11

目次

第十話

 

 

第十一話:説得
 
オリンポス、その頂には神々が住む。
神殿に到着する頃には、配管工兄弟の体から発せられる光は消えていた。
 
累二はそのことに気付きます。
「おぉ、体の光が消えているぜぃ…」
 
「スター印プロテインの有効時間が過ぎて、
 効果が無くなったからよ。」
 
「さっきのプロテイン、副作用か何かあるんですかい?」
今さら聞くな感が満載ですが、毬雄の質問に
女神は丁寧に答えます。
「何もないわ。
 ただ、気が大きくなって○ダッシュし、落とし穴に落ちてしまう事が多々あるわ。」
 
なぜか配管工兄弟は、思いっきり身につまされる思いをした。
 
三人がたどり着いたオリンポス。
目の前には荘厳な神殿。
きらびやかではないが威厳に満ち溢れ、神々しくある。
 
その神殿の奥に入ると、待っていたのは全知全能の神、ゼウスだった。
「おう、三人とも。えらい遠いところから、よーきよったな。」
 
ゼウス様、ノリが軽すぎ。
女神デメテルは話を切り出す。
「ゼウス様、じつはお願いがあって参りました。
 娘を神の仲間入りさせるため、ネクタルを分けて頂きたいのです。」
 
「うん、デメテルちゃんの娘さんやさかい、神になる素質はあるで。
 せやけどなー、そうポンポン ネクタルをやるワケにはいかんのや。」
 
ゼウスは拒否します。
しかし女神デメテルも、はいそうですかと引き下がるわけにもいかないのです。
 
「神々をあまり増やすべきではないのは判ります。
 しかし、あの子は私にとって大切な娘。
 私がどうなっても構いませんから、ネクタルを分けてもらえないでしょうか。」
 
ゼウスはなおも渋ります。
「うーん、そうゆーてもやな。あかんから堪忍な。」
 
女神デメテルもあきらめません。
「こうなったらしかたありません。
 特別にあれをやるしかない様ですね。
 毬雄、累二、掛け声を頼みますよ。」
 
「「おうよ、女神様!」」
毬雄&累二は快く返事をします。
 
「それではいきます、サイドチェスト!」
そう言ってサイドチェストをきめる女神デメテル。
 
「「女神様!きれてる、きれてるっ!」」
見事なポージングに、配管工兄弟も力強く声援を送ります。
 
サイドチェストって何?
↓コレ!
http://kinnikubaka.com/news/wp-content/uploads/Side-chest-pose.jpg
そう、ボディビルのポージングの一つ♪
 
「うわぁ、暑苦しいわ。勘弁してや!」
ゼウスはあんぐりしてしまいました。
 
そうです、女神デメテルはボディビルを使った強硬手段で説得?することにしたのです!
女神デメテルの説得?は続きます。
「続いて、フロント ダブルバイセップス!」
 
参考画像:フロント ダブルバイセップス
http://kinnikubaka.com/news/wp-content/uploads/blaian.jpg
 
「「さすが女神様!きれてるーっ!」」
配管工兄弟の声援も熱がこもります。
 
「あぁ、昔は可憐やったデメテルちゃんが、なしてこうなったんや…」
悲しみにくれるゼウス。
女神はみな可憐だって誰が決めた?
少なくとも、この物語には そんな先入観はないのでご注意を♪
 
女神デメテルの頑張り?に配管工兄弟もある決意をしいます。
「累二よ、女神様だけ頑張らせるわけにはいかないぜ。
 俺たちも加勢しようぜ!」
 
「おうよ、兄貴ィー!」
 
「では二人とも、いきますよ!
 バック ダブルバイセップス!!」
 
参考画像:バック ダブルバイセップス
http://club.pep.ne.jp/~mikami1/pose_double-biceps-back.jpg
 
三人の見事なポージングの競演に、さすがのゼウスもタジタジ。
「ホンマ勘弁してや。ムキムキで暑苦しいのはあのせがれ一人で十分なんや。」
(補足:あのせがれ… ヘラクレスのこと。)
 
女神デメテルは聞きます。
「ではネクタルを…」
 
「しゃーない、特別にわけたろ。
 ただし、条件があるで。」
しぶしぶ了承したゼウス。しかしただでわける訳にはいきません。
 
ゼウスが出した条件、それは
「桃姫ちゃんをわしのトコで預かろか。それで…」
 
「あ、ちょっとヘラ様の所に行ってきますね!」
 
「あかん、あかん!
 ほんのジョークやさかい。オリンポス☆ジョークや!」
女神デメテルの切り返しに、汗を浮かべたゼウス。
うん、ヘラに知れると大事ですね!
 
「ゴホン。」
軽く咳払いをしてゼウスは条件を出します。
「桃姫ちゃんを筋肉ムキムキにしないこと。
 それで手を打とうやないか。」
 
「えぇ!? そんな厳しい条件を!
 せめて私が身代わりに…」
女神デメテルは驚き、そして悲しみに暮れます。
娘の将来の可能性を奪う。
マッチョな彼女にとってそれはあまりにもつらいこと。
普通の人にとってはどうでも良い条件なのかもしれませんが…
 
悲しむ女神デメテルを見て毬雄も思わず声をあげます
「おぉ、なんという厳しい条件だぜ。
 女神様の悲しみが筋肉から伝わってきたぜ。」
 
「兄貴ィ、女神様の筋肉も涙を流しているぜぃ!」
 
「アホか! あれはどう見ても汗やないかい!」
思わずつっこむゼウス。
もはや筋脳たちを止めるのはゼウスしかいないのです。
 
「デメテルちゃんも、もとの可憐な姿に戻って欲しいんやけどな。
 それ以上に暑苦しいのを増やしたくないんや。」
そんな理由で良いのでしょうか。
ま、ここは気にしないことにしましょう。
 
ゼウスの本音はともかく、過酷な条件に苦悩する女神デメテル。
彼女はどんな決断をするのか?
次回に続く!

 

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