村上 (略)だから僕が伝えたかったのは、カーネル・サンダースみたいのなものは、
実在するんだということなんです。
彼は必要に応じて、どこからともなくあなたの前にすっと出てくるんだ、ということ。
それこそタンジブルなものとして、そこにあるんです。
手を伸ばせば届くんです。
僕は彼を立ち上げて、彼について描くことを通して、そういう事実を読者に伝えたいわけです。
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★「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです ~村上春樹インタビュー集 1997-2011」
村上春樹著 文春文庫 800円+税 2012.9.10.第1刷 P.137より抜粋
”『海辺のカフカ』を中心に” 文學界 2003年4月号/日本
カーネル・サンダースは、『海辺のカフカ』の下刊に登場してくる不思議な人だ。
高松という見知らぬ街で夜を過ごそうとしていた星野という男は、
カーネル・サンダースそっくりな風貌をした見知らぬ男に突然、自分の名前を呼ばれるのだった。
「ホシノちゃん、ホシノちゃん、女の子は要らないか」という趣旨なことを言いながら、
星野に詰め寄るカーネル・サンダース。
この場面は、とても笑えてオモロイところだ。
「羊をめぐる冒険」の「ちゅーちゅー」場面に匹敵するところだ。
ところでこのカーネル・サンダース、
作品の中では実在の人間なのか疑わしい振る舞い方をする、不思議な御仁だ。
星野の頭の中でささやいている、意識の中の何ものかなのかも知れない。
最終的に星野は、カーネル・サンダースのお陰で、
ナカタさんと一緒に探し求めていた捜し物を見つけることになる。
これって、オイラがいつも呟いている”ウインダム”とか”弁慶”とかと同質な、
何ものかを示しているように思われる。
”弁慶”は白旗神社で憑いた眷属、”ウインダム”は伏見稲荷大社で憑いた眷属、
と、オイラは認識しているのだけれど。
自分の意識だと思ってしまうと区別がつかないのだけど、
突然に思いついたことって、それ、本当に自分の意識なのだろうか?
ひょっとしたら、自分ではない何ものかが、自分の意識の中でささやいているのではないだろうか?
オイラの場合、彼らの言うことを信じて行動すると、物事がなぜかうまくいってしまうのだ。
とても助かっている。
彼らの言うことに従ったら、
例えば、村上ファミリー(春樹、三浦しをん、デイヴィッド・ゴードン)の悪戯を知ることができた。
何となく「1Q84」を読んでみようかなって、思ったのがことの始まりだった。
それまではほとんど、小説なんて読みたいと思ったことはなかったのだ。
村上春樹が京都・伏見の生まれなのが、大きく関与しているように思える。
ひょっとしたら、彼の創作源泉となる深い意識の底には、
”ウインダム”と出会える秘密の扉があって、
そこで色々な体験を、村上春樹はしているのではなかろうか。
そんなこんなで、もろもろの不思議な出来事は、
実はすべて、”ウインダム”のプロデュースなのかも知れない。
別の言い方をすると、別々の場所にいる二人の人間が、
同じアカシック・レコードにアクセスして、
小説を書いたり、行動したりしているのかも知れない。
PS:「光」という三浦しをんの作品を読んだ。
津波が出てくる物語だ。
3.11の後で勇気のある女だと思ったけれど、
解説を読むと、この作品は3.11よりも前に生まれたものだという。
それと主人公の一人の名前が「信之」という男で、
「薬屋のシンちゃん」と通ずるものがあったりする。
(もうほとんど、オイラの実名に近いじゃないの・・・)
それとそれと、作中の場所が川崎北部でね、
そこってオイラのIT談合相手の・・・ぎゃ~。
三浦しをんも、村上春樹と同様に予言者なのかも知れない。
が、彼女自体はとてつもないリアリストなのではないかと思わせる作品中の語りがあるので、
(宗教なんかに頼ってないで、ちゃんと行動しろ~的な語り)
ムー民一族と断定することはできないのであった。
最後に、三浦しをんに言いたいことがある。
オイラが白旗神社で体験した神秘体験は、ホントウのことなんだってばさ。
(信じてもらえないだろうけど。オイラがね、18歳のときの、初体験だったのね)