昨年の株価は年間で6割近く上がったのですが、私のファンドは3割弱でした。
くやし~~~!と、いってみたところで後の祭り。
所得が増えて生活水準が上がると、人の欲望は物から消費に移ってきます。物は一度買ってしまうと終わりですが、消費は一度味わうと、また次々に欲望が湧いてきます。
消費は内需の本命といっても、昨年のアベノミクス第2幕で活躍したのは、ゲーム、アニメ、アプリ、スマホ、情報、通信……、と今までの内需関連とは、少し違っているような気がします。
分からないものには手を出さない私のポートフォリオには、残念ながら一銘柄も入っていません。
日本で開発された電気製品は、中国や韓国に移転され、大量に生産されるとブランド価値がなくなってしまいました。そのかわり、中国で生産されたスマホが日本に入ってきて、いまやどこに行っても皆スマホ片手に夢中になっています。
これに関連した産業が、昨年後半の市場をリードしたようです。でもまだ名前はついていません。
どうでしょうか。「遊び」関連産業としたら……。「遊び」は、子供のころから親しんだ消費の本道。上にあげた業種のほとんどをカバーするものではありませんか。
「ちょっと、ちょっと、待った、待った!」またしても天からの声です。
「子供の遊びならそれでいいのだが。大人の遊びとなると、ちょっと違うようじゃ」
「イギリスじゃ、売春と麻薬をGDP統計に加えるかどうかで、大問題になっているし、中国では女性を介して大物が芋蔓式に捕まっているし、韓国でも……」
「どうして大人の遊びと結び付けるんですかねぇ~~~」
「遊び」産業としては、旅行、アニメ、ゲーム、ネット関連など、小粒ですが多岐にわたります。遊び関連で伸びる企業は、日本の固有の文化に結びついているため、国際競争力には問題ありません。
ただ、固定資産は事務所とコンピューターだけで、経費は人件費という企業が多いのも事実です。ROEは高く出ますが、競争障壁も低く、翌年の利益が見通せないという企業もあります。ITブームのとき、PERが100倍をつけた企業のうち、今日まで残っているのは、ほんの数社です。
新しい産業のため、新興市場などへはIPOとして続々上場され人気も高いのですが、5年後に存在しているかどうか、少なくともNISAには向いていていません。値幅取りには絶好の銘柄ですが、PERが高く配当利回りも低いので、あまり近寄りたくない銘柄です。
「そんなことばかり言っているから、乗り遅れたんだぞ!」
「ちょっと待ってくださいよ。そう怒鳴らないで、今見つけてますから」
「設備投資に金を掛けるのなら、遊園地か。でも、ホテルとか、酒屋さんとか、パチンコやさんとか……」
「発想が悪いな、そんなものコード表には出てないわ!」