ある民放のテレビの投資番組で、株式投資に迷っている若い人に、「おっぱい投資法」という方法で、昨年1,800万円を儲けた若い男性を紹介していました。
製作者の意図が、株式投資をためらっている人の背中を押すというのであれば、大変よくできた番組といえます。
ただ、中身についてはいい加減で、これを見て株の世界に入った多くの人は、株の世界が簡単なものではないことに気がつくはずです。確かに名前だけが奇抜で目を引きますが、以前からあるチャート理論で、ダブルボトムをつけた銘柄の2回目のボトム付近で買えば、上がる確立が高いというものです。
ボードに、垂れたおっぱいを書いて、その乳首部分を買うように示すことで、名称の由来を説明しています。さらにコメンテーターが、「こんな投資法は始めてだ」と、新しさを強調しています。
もしこのコメンテーターが、本当に初めてだと思ったならば、とんでもない嘘つきか、ど素人ということになります。さらに疑えば、昨年1,800万円儲けたという証拠はありませんし、この種の話につき物の「儲けは100倍」にして、投資の有効性の証明にしたとも取れます。
問題はありますが、従来からあるダブルボトム理論の紹介としては、理論の背景を理解した上で使用すれば、漫然と買うよりは、はるかに儲けの確度が高い投資手段であることは間違いないところです。購入に当たっては銘柄のファンダをチェックした上で、株価の位置が低く、全体が上向き傾向にあるときに使えばよいのではと思っています。
ただ著者としては、垂れたおっぱいを持ち出すより、ふっくらとした上向きのほうがいいような気がしてなりません。もっとも、チャート理論からするとこれは、ダブルトップか三尊天井のサインとして、天井時につけるものとされていますが……。