画像処理ソフトの開発ベンチャーであるモルフォは業績回復基調が鮮明になってきた。狙っていた海外スマホ向けに採用が進んでおり、収益構造も大きく変わった。黒字回復した前2013年10月期に続き、今14年10月期も利益を大きく増やしそうだ。
モルフォは6月13日に上期(13年11月~14年4月)決算実績を発表。売上高6.1億円(前年同期比22.2%増)、営業利益0.8億円(同185%増)と好調だった。モルフォのソフトが14年3月に中国ファーウェイの2機種に新たに搭載されたほか、5月にはモトローラの1機種に搭載され、いずれも取引の拡大が進んでいる。車載や監視カメラ市場への展開に向け開発も進めているが費用増は限定的で、大幅な増益となった。 国内携帯電話勢の後退とスマホの台頭は「時間の問題」と見られていた。そこでモルフォは海外スマホメーカーの開拓に乗り出した。被買収リスクを考慮しアップルとは距離を置き、狙ったのはアンドロイド系スマホだった。もともと国内携帯電話向けで実績のある画像処理技術を核としたモルフォのソフトは、海外のスマホ各社にも評価され順調に採用が進んだ。ただし取引形態は、国内で一般的だった開発コストを負担してもらう仕組み(開発収入)はなく、搭載されて初めて獲得するロイヤルティ収入が中心。このため売上高への計上が本格化してくるのは13年10月期に入ってからで、それまでは従来型の携帯電話向けでしのぐ計画だったのだ。