「フラニーとズーイ」の方が、ずっとオモロイと思った。
特に前半部分は退屈きわまるほどだ。
ところが「フラニーとズーイ」のときのように、
女の子が登場してくる段となると、とたんにオモロクなってしまう。
妹のフィービーが絡むところなんだけど。
その人物描写と会話に、なんともいえない魅力があるのだ。
(こういうところが、春樹訳マジックなのかもしれない)
そういう描写と会話の部分が、盗みどころなのだと思う。
また、ストーリーの展開具合は、
読めば感じるが直感的に書かれており、
そういった書き方を村上春樹は若いときに盗んだと思われる。
★「キャッチャー・イン・ザ・ライ」
D.J.サリンジャー著 村上春樹訳 白水社 880円+税
2006.3.31.第1刷 2012.3.15.第13刷
原作者の要望により、解説を書くことが許されなかったという。
なぜなのだろう?
この作品を読んでいるはCIA云々という、
都市伝説が邪魔したのだろうか?