世にもゲスな作家と、多生の縁

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世にもゲスな作家と、多生の縁

彼女はバスを降りるとスーツケースを地面におき、その上に腰をおろし、

肩にかけた小さなリュックのポケットから手帳を出してボールペンで走り書きする。

そのページを破って僕に渡す。

そこには電話番号のようなものが書いてある。

 

「私の携帯番号」と彼女は顔をしかめて言う。

「私は友達のうちにとりあえず泊まるけど、誰かに会いたくなったらここに電話してね。

 一緒にご飯でも食べよう。遠慮しないでね。

 ほら、ソデ触れあうも・・・・・・、っていうじゃない」

 

「多生の縁」と僕はいう。

「それそれ」と彼女は言う。「どういう意味なの?」

「前世の因縁──たとえささいなことでも、世の中にはまったくの偶然というものはない」

 

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★「海辺のカフカ 上」

  村上春樹著 新潮文庫 705円+税 H17.3.1.発行 H22.6.5.三六刷

  P.65~66より抜粋

 

5/20(火)、職場にあった朝日新聞に、偶然目を通した。

福祉事業を私物化し、売り買いして利益をむさぼる話を読んだ。

ヒドイ話だと思う人は、普通だ。

 

同21面、「マイストーリー」という小説が目に止まった。

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(略)

「ごたくを並べるのはもういいですよ。

 このままだと本は出せない、っていうことですね」

「はい、そうです。他の出版社でも同じでしょう。

 過激な宗教礼賛や他人への中傷は、自費出版であろうとルールにひっかかります」

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★「マイストーリー」

  世にもゲスな作家著 朝日新聞5/20、21面より一部抜粋

 

彼とのことを書いて本にする。僕の生きてきた道のりをもう一度見つめる。

奇妙な光を放った目をする人間に、何を言っても無駄だと書いてあった。

 

赤字の部分がなければ、大目に見てやったんだが。

 

「袖触れあうも多生の縁」という、たまたま続きを開いたら出てきた文句。

なにやら救われたような気分だ。

 

     *

 

談合に備えて邪魔者のオイラに移動命令を出した当時の副医院長は、

オイラと大の仲良しだったが、

その後、なぜかすぐに死んだ。

彼は、胆道閉鎖手術の開拓者として有名な医師であった。

 

オイラのことを持ち上げるかのようにしていた直属の上司は、

やはりオイラと大の仲良しだったんだが、

肝心なところでオイラの邪魔をする結果となり、

その後、いろいろ災難があって投身自殺した。

横浜カジノにいるヤクザの気配があった。

オイラと電話で一度会話したから知っている。

「このクソやろー」と、怒鳴りつけてやった。

 

オイラが今住んでいる土地の先住民は、

土地の分譲に備えて稲荷を潰した。

1年後、先住民長男は山に行ったおり、

流れていた河川で溺死した。

 

談合に荷担した元知事の家族は、

落雷に討たれて二人が即死した。

徳光の朝番組でニュースになった。

 

オイラの懲戒免職を境に、

身内から告発もあったのだろう、

神奈川県警ノンキャリアたちが動いて、

結果として談合民間会社の社長が懲戒解雇となった。

不服裁判を起こしたが、2審まで敗訴している。

日経新聞にも小さく出ていた。

今、そいつが生きているのかどうか、オイラは知らない。

 

免職になったあと、オイラが自ら判断して世話になった霊能者「日宗」は、

3.11直前に、痴呆症の父親、そして所帯をすでに持っていた妹夫婦とともに、

福島から奈良の三輪山へ引っ越しをした。

「緑風園」と縁のあった「日宗」。

震災前に緑風園は全焼したけど、同じ敷地内にある亀ちゃん神社だけは無傷だった。

 

信じてもいないくせに

(それは世にもゲスな作家の自由なんだけど、それと信じられないのも無理はないけど)、

あまり決めつけた言い方をするのは、

作家としても人間としてもどーなんだろう?

 

あ~、「袖振り合うも多生の縁」と村上春樹の声がする、どうどう・・・。

「回転木馬のデッドヒート」には、

まさにオイラが今、どー書いていいのか悩んでいることに関してたくさんのヒントがあった。

 

この、世にもゲスな作家の言わんとしていることからも、

まぁ、ヒントっていうか、

こいつの期待を木っ端微塵に裏切ってやろうっていうファイトを

もらったということにしといてやろう。

 

この、世にもゲスな作家野郎は、

運が強いようだから大丈夫だとは思うが、

どうもオイラの周りから眷属君がひとりいなくなったようだから、

気を付けた方がイイと思う。

 

彼の名前は、ウインダムっていうんだ。

ほら、あのウルトラセブンが擁していたウインダムだよ。

オイラには眷属君がたくさんいるから、

そーやってオイラは名前を付けてあげたってわけ。

 

オイラがホンモノの宗教右翼じゃなくなくって、よかったな。

そーいうところも、お前の運がイイってんだよ。

 

わかった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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