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下町の太陽から(8)3月29日(土)9時41分

 「一本刀土俵入り」は元禄忠臣蔵が、仮名手本忠臣蔵で演じられたのと同じスタイルをとっている。仮名手本忠臣蔵では大石内蔵助ではない。大石ではなく別の人物になっている。しかし見れば、これは大石であると誰でもわかるのである。


 駒形には桃の木川が流れているが、利根川の元の本流は、桃の木川であったので、芝居の利根川ともつじつまが合う。現在の利根川は、江戸時代の利根川の支流であった。大水が出て、支流が本流になったのである。この時に前橋城の天守閣は壊れている。


 何曲か記憶に残るものを、あげましたが、その他に今思いあたるものに「宇宙戦艦ヤマト」、「海ゆかば」「月月火水木金金」「翼をください」がある。

小学生の思い出で、「アフリカの星のボレロ」がある。今になって思えば、人の命のはかなさを感じる。映画の主題曲であるが、映画館で映画の合間に流れるこの曲は何とも寂しいと感じた。その他には、「ブーべの恋人」「夜霧のしのび逢い」「ベンハー序曲」、イタリア映画の「鉄道員」「エデンの東」「アラビアのロレンス」ドクトルジバゴより「タラのテーマ」などがある。


 そしてわたしによく合うのは、やはりベートーベンの「運命」である。人それぞれに、何らかの苦難を抱えている。苦難を乗り越えられるか。苦難につぶされるか。この2つが、常につきまとってきていた。そして今ある苦難を、やはり乗り越えたいと思う。乗り越えられるか、だめになるか。この2つの戦いである。これからこの2つの戦いの中に、このささやかな人生の本当の旅が始まろうとしている。ちょうど、「砂の器」の中の巡礼のようでもある。


 砂の器の巡礼は、死出への旅であった。わたしの旅は今ある困難を、克服する旅である。白隠禅師の書に「南無地獄大菩薩」を見つけた。この世が地獄でも菩薩様は、見守ってくださる。この世とこの人生が地獄なら地獄でよい。地獄の中をのたうちまわって生きてゆけば、菩薩様は、憐れんで、何らかの光明を与えてくれるかもしれない。

そしてこれは、美しく、そして激しい恋の曲であるベートーベンのピアノソナタ「月光の曲」とスメタナの「わが祖国よりモルダウ」そしてシベリウスの「フィンランディア」でこの日記を閉じたい。おりしもロシアのウクライナへのクリミヤ半島への介入、そしてロシアへの併合をしたとのことである。困難な世界からの解放である。





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