円高を食い止めた2人のFRBタカ派

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

そら豆の株予報さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ98件目 / 全474件次へ »
ブログ

円高を食い止めた2人のFRBタカ派

<豊島逸夫の金のつぶやき>
円高を食い止めた2人のFRBタカ派

 ダラス連銀のフィッシャー総裁とフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁といえば、筋金入りのタカ派だ。1月末からイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長率いる新体制となる米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つこの2人が、14日の講演でこう語った。

 「株式市場が調整局面に入っても、私は投票権を持つ限り米緩和縮小を支持すべく行動する。債券買い取り額も月額850億ドルから650億ドルに減らすべきだった。株も債券も、いまはバブル・モードとはいえない。しかし正常なバリュエーション(投資尺度)に戻る調整局面は覚悟すべきだろう」(フィッシャー総裁)(注)バーナンキ議長は750億ドルへの減額から緩和縮小を始めている

 「米失業率は6.7%から年末には6.2%まで下がるだろう。労働参加率の低下は問題ない。さらにインフレ率も現在の1%から、年内には米連邦準備理事会(FRB)目標の2%に上昇するだろう。国内総生産(GDP)成長率は3%を予測する。いまより速いペースで量的緩和縮小を実行すべきだ」(プロッサー総裁)

 タカ派の面目躍如たる発言に、マーケットは強く反応した。債券市場では10年債利回りが前日の2.82%から2.87%まで反発。外為市場ではドルインデックスが前日の80.61から80.74までじり高。特にドル買いのエネルギーが円売りにはけ口を求め、円相場は104円台を回復した。結果的にFRBのタカ派が円高進行を阻止する展開になっている。

 さらに注目されたのは、株式市場がタカ派発言にもかかわらず上昇したことだ。(1)米銀最大手JPモルガンの2013年10~12月期決算が、減益ながらも市場予想を上回る内容だった(2)米小売売上高も市場予想を上回る前月比0.2%増だった――という2つの注目材料に安堵した相場といえる。加えてプロッサー総裁が「量的緩和縮小は粛々と進めるべし。ただし利上げは急がず」とも示唆したことが市場に安堵感を与えた面も否定できない。

 市場はこうした「良いニュース」で量的緩和縮小を連想し、「悪いニュース」扱いすることが多かった。しかし14日は素直に「良いニュースは良いニュース」と解釈しているようだ。タカ派発言にもめげることなく、株価が下げなかったことにも変化を感じる。量的緩和による流動性注入の点滴を外されても、症状がぶり返す不安が徐々に薄れているリハビリ期間に入ったとみている。

 年明けから続いていた株価調整も、リーマン・ショックという有事対応としての非伝統的金融政策が平時対応に戻る過程に伴う痛みなのだろう。

<日経電子版より>
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。

ネット証券比較

みんかぶおすすめ