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米「恐怖指数」トレーダーが占う今年の株式相場

2013年の株式市場は高値記録に沸くとともに、投資家の不安心理を反映し、恐怖指数とも呼ばれるVIXを対象とする先物やオプションの取引も活況になった。VIXを算出し、デリバティブを上場するシカゴ・オプション取引所(CBOE)によると、VIX先物と同オプションの年間売買高はいずれも過去最高を更新した。世界最大の資産運用会社ブラックロックが調査資料でVIX先物をポートフォリオに加える利点を指摘するなど、機関投資家が株価や債券と相関性の薄いVIXデリバティブへの投資を増やしているためだ。存在感を増すVIXのデリバティブ市場で取引するトレーダーたちに、今年の米株式相場を占ってもらった。

 「今年は米株式相場にとって良い年になる。昨年ほどの勢いはないものの、投資家の不安度は昨年並みに低く、株価は上昇を続ける」と予想するのはシカゴの投資管理会社スタットランド・ボラティリティー・グループのトレーダー、マット・フランツ氏だ。同社はVIXオプションや先物などをポートフォリオに組み入れリターンの向上を求める運用手法を取る。株式や債券投資の損失を防ぐためにVIXオプションなどデリバティブをヘッジ目的で取引し、リスクに合わせて頻繁に持ち高調整を繰り返す。今年も昨年に続き株式市場での積極的な資産運用を計画する。

 VIX(ボラティリティー・インデックス)とは、CBOEが同取引所で上場するS&P500種株価指数オプションの価格をもとに算出する。数値が高くなるほど、市場関係者が予想する向こう30日間の価格変動率(ボラティリティー)は上がる。通常、株価が下げれば上昇するため「恐怖指数」とも呼ばれ、20以下が「平時」レベルだ。過去を振り返ってみると、VIXは2008年の米金融危機の際に急伸し、同年11月20日に80.86の過去最高記録をつけた。その後、11年8月8日に、米国債格下げや欧州財政不安の再燃から株価が急落した際に48まで上げている。

 昨年のVIXは、6月に米長期金利の急騰で株価が急落し一時的に20を超えたが、その後はおおむね落ち着いた動きになった。年間平均値でみると、13年は14.23と08年の32.7の半分以下、そして07年以来、6年ぶりの低水準だった。フランツ氏の予測では今年のVIXは、昨年に続き「平時」レベルの20以下で推移し、短期的な20超えはあっても、大規模な政治事件などが起きない限りは平時レベルで推移するとみる。

 では、投資家心理が安定するとすれば、今年の株価はどれぐらい上げるのだろうか。米国の機関投資家が指標とするS&P500種株価指数は、昨年末に過去最高値の1848で引け、年間リターンは30%と1997年以来、16年ぶりの上昇率になった。フランツ氏の予想では、今年のS&P500は最高値更新を続け、2100ドル台乗せが可能。「10~15%のリターンが期待できる」(フランツ氏)

 もう一人「今年は米株にとって良い年」と予言するのがVIXオプションをヘッジ目的で活用する資産運用会社スワン・ウェルス・アドバイザーの取引投資部長マーク・セバスチャン氏だ。セバスチャン氏の予想ではS&P500種株価指数は1950~2000まで上げ、VIXは昨年より高めながら16から18程度の安全圏で推移するとみる。 もちろん懸念材料はある。米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小を加速し、米長期金利が急速に上昇すれば米株は急落する可能性がある。セバスチャン氏は「10年物金利が急速に4%まで上げれば、VIXは一時的に30を試し、S&P500種株価指数は一気に5~10%下げる」とみる。すでにVIXオプション市場では3月から4月にかけて量的金融緩和の縮小が進み米株価が下落するというシナリオを描き、ヘッジをかけたとみられる大口の取引が目立っている。

 米メディア報道によると、昨年12月半ば、投資家が1回の取引でVIXオプションの4月物コール(買う権利)を行使価格22で4万枚買い、話題になった。4月にVIXが22まで上昇しなければ、この投資家は支払ったプレミアム約500万ドルを失う。フランツ氏は「かなり大規模なファンドが相場下落に備えて保険をかけたのではないか」と臆測する。今年に入っても3月の株価急落を予測しヘッジしたとみられるVIXオプションの大口買いが起きているという。

 投資家の間に08年の金融危機の記憶は消えていない。「投資家は昨年から株式バブルへの懸念を強めている。株価上昇にもかかわらずVIXが上げる局面が目立つ」と前出のセバスチャン氏は話す。今年の市場は、本格的な景気回復への期待が株価を後押しするものの、2月に就任するイエレン新FRB議長が金融緩和の出口を探るなか、長期金利の動向を巡る一喜一憂が続きそうだ。VIXデリバティブにとっても活況の1年になるかもしれない。

<日経電子版より>

3月4月は日米ともに下げ相場となるかもしれない。

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