30年を「ひと世代」などと言ったりします。最近の日本ではかなり晩婚化が進んでますが、それでもおおよそ30年前というのは親が今の自分たちと同じ年頃だった時代になります。「クズネッツの波」は20年周期なので「30年ひと世代」とはちょっとずれますが、「子が親になるまでの期間」が景気変動の波になるのではないかとも言われています。
今から30年前といったら1980年代。そういえば、最近何かと80年代が取り沙汰されています。80年代ブームが来るとか来ないとか。ファッションも80年代風が流行る?いえいえ
、さすがにくっきり太眉にパワースーツが流行るのはちょっと嫌ですが・・・
それでも世界中が輝かしかった80年代を懐かしく思ってるみたいです。もちろんアメリカも。80年代といえば輝かしき(?)ヤッピーの時代。まさにオリバー・ストーンの描いた「ウォール街」そのものの時代。若きアッパーミドルが右手にはグッチのブリーフケース、左手にはロレックス、ピンストライプのスーツに身を包み、車載電話付きのSAABを乗り回していた時代です。そしてヤッピーが80年代の日向とすれば、日陰の方ではスティーブ・ジョブズやスティーブ・ウォズニアック、ビル・ゲイツ、ラリー・エリソン、アンディ・ベクトルシャイムといったITバブルの雄が着実に力をつけていった時代でもありました。そんな80年代から続く喧騒は、ITバブル、サブプライムバブルを経て、つい最近、2008年のリーマン・ショックまで続きます。
ではアメリカの輝かしい80年代文化はといえば、その30年前「黄金の1950年代(なんと1970年まで続いて崩壊)」の文化、つまりエルヴィス・プレスリーとジェームス・ディーンとリーバイスのジーンズへの郷愁から生まれた文化でした。50年代はアメリカが一番元気だった時代、まさにジェームス・ディーンに象徴される様な「青春」の時代だったのです。
50年代の更に30年前はというと、あの「狂騒の1920年代(1929年に崩壊)」です。華麗なるギャツビーで描かれている時代です。更に30年遡ると、1890年代はウォール街が初めて迎えた黄金時代、つまりモルガンがノシ上がったにあたります。その30年前も気になるかと思うので一応書きますと、1860年代は鉄道建設ラッシュが始まった「アメリカ版鉄道バブル(1873年に崩壊)」頃です。この鉄道バブルの崩壊を足がかりにロックフェラーは頂点まで上り詰めました。
もうそろそろいいかと思いますが、更に30年前の1830年代は「投資会社バブル(1837年に崩壊)」の時代で、その後の投資銀行につながる投資会社が次々と新設された時代になります。その前になると、1800年代はアメリカ経済がまだイギリスに牛耳られていたの時代に遡ってしまいます。1792年のバトンウッド合意でアメリカに初めて近代的な証券取引が生まれると(※それまでの取引ではオークショナーが当たり前のように価格操作していました)、運河バブルに沸くイギリスの資金がアメリカに押し寄せ、その資金流入はナポレオン戦争のためイギリスが投資資金を引き上げる1812年まで続きました。
さて、1980年代の30年後にあたる2010年代は?アメリカはバブルへと突き進んでいくのでしょうか?おそらく紆余曲折あるかと思いますが、結局はバブルとその先の崩壊へと突き進んでいくしかないでしょう。それくらいアメリカはバブルが大好なのです。いえ、むしろそれがアメリカの強さなのかもしれません。バブルとその崩壊のたびにアメリカは新しいモノを生み出してきたわけですから。
余談ですが、FRBの一番大事な仕事は「バブルかな?バブルじゃないよ、フロス(泡沫)だよ。」と言い続けて無事バブルを大きく育てることの様な気がします。もちろん当の本人にしてみればそんなこと言われるのは不本意かと思いますが。でもその点でイエレンさんは、サブプライムバブルを早期に察知する洞察力とスルーする鈍感さを併せ持っており、「バブル成長を見守る」議長職に適任ではないでしょうか。