ユリウスさんのブログ
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塩野七生氏のインタビュー -当意即妙-
5月24日のエントリーで、「正しい歴史認識ってなに? -あるはずのないものをあるように言う人達-」で「正しい歴史書」なんてあるはずがないことを書いた。わが国の政治家にもっと知恵者が欲しいと書いた。早速、塩野七生さんがちょっと別の角度からではありますが、同じような意味から発想された彼女ならではのご意見を「文藝春秋 八月号」に書いておられる。当意即妙とはこのこと。久しぶりにスカッとしましたのでご紹介します。
韓国滞在中のインタビューだそうです。
記者:「36年間の植民地時代をどう評価するか?」
塩野:「男と別れた後の女には、二つの生き方があるのです。第一は、別れた男を憎悪し怨念に燃えその男に害あれと願いながら一生をおくる生き方。第二は、過去などはきれいさっぱりと忘れて新しい男を見つけ、と言って昔の彼とも仕事を一緒にしたりして、愉しい人生をおくる生き方。あなた方は、どちらを選択なさりたいのですか?」
(相手は黙ったそうです。拍手!)
翔年は流石だと思います。こんな微妙な例え話をへたな男がやったら、舌禍事件になるかもしれません。塩野さんは女性だから、いつも女性のやや感情過多な思考法を例にひきながらやんわりと咎められるのです。その当意即妙さ、絶妙さには脱帽です。
もう一つ。
朝鮮総督府の建物を破壊しているのを目にされた時
塩野:「あの時代の建物は頑丈に出来ているから壊すのは大変でしょう」
記者:「空から見ると日帝の「日」になっているから壊す必要がわれわれにはあるのです」
塩野:(笑いながら)「あの時代は採光の必要から、日本帝国に関係なくても大きな建物は『日』にするよりなかったのです。ローマも空から見れば『日』ばかりですよ」
記者:「そんなもんですか?」
塩野:「そんなもんです」
(レベルが違う)
塩野さんの随筆の最後の方にこうあります。
「言うときはやはり、確実な証拠をつけてハッキリと言わねばならない。そのほうが、こちらのためだけでなく相手のためになる」
翔年は民主党が政権をとった時に、塩野七生を外交顧問にしたらどうかと書きました。こういう知恵者は国の宝。安倍政権も外交顧問に迎えて欲しいです。
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