三重県と奈良県に囲まれた全国唯一の飛び地の村、「北山村」
かつて北山村の主な産業は林業で、木材の輸送は筏師(いかだし)によって、
北山川下流の新宮市に運ばれたそうです
ダム建設や陸路での交通手段の発達により、筏流しは一旦途絶えたそうですが、
現在は観光の筏下りとして復活
北山村が飛び地となった所以ですが、明治4年(1871年)の廃藩置県の時、
本来ならば奈良県に組み入られるところでしたが、
林業を通して深いつながりがあった新宮市と同じ和歌山県に入ることを村民が望み、
その願いが叶ったのだそうです
その北山村で、筏(いかだ)下りを楽しんできました
和歌山の大自然も満喫できましたが、川の流れと深さを見て、
筏を操る技術も興味深いものでした
ひとつの筏につき3人の筏師が付き、観光客は20人くらい。
筏師は命綱もなく、筏の上を、前に後ろにひょいひょいと歩いて、
道具はほぼ丸太棒の形をした棹(さお)と、
オールのような櫂(かい)を使い分けていました
流れの急なところの緊張感は勿論のこと、波しぶきも立たないような緩やかのところは、
筏を前に進めることが大変そうでした
進行方向と逆向きで、てこの原理を利用して、
岩場に備え付けたチェーンを引っ張り、また棹を押さえつけ、
足で蹴るようにして筏を前に送っている、という感じでしょうか
時間にして70分くらい、座る位置にも拠りますが、
私は腰くらいの位置まで水しぶきがかかりました
ところで、この北山村には、じゃばらという柑橘類が採れます。
邪気を払う、という縁起物ですが、花粉症にも効果があり、
私も10年程前からここの製品を愛用しています
そう、私が北山村に訪れるのは、今回で二度目になるのです
ひとつの筏につき3人の筏師がつく、と書きましたが、
前回の筏下りでは、貫禄あるじいさま2人と若手1人という構成でしたが、
今回は、じいさま1人と若手2人が担当していました
筏師後継事業も行っているようですし、
600年とも言われる筏流しの歴史を途絶えることなく、
技術の継承は今後とも続けて頂きたいものです