こんにちは。
昨日の東京市場は昨晩のECBドラギ総裁の会見を好感して欧州市場がポルトガル危機の影響を乗り越え、反転上昇に転じたことで日経平均先物価格が上昇し、円安ドル高となったことを支援材料として大幅上昇となったようです。
昨日は日経平均が前日比+291.04円(+2.08%)の14,309.97円の上昇となっただけでなく、TOPIXが前日比+1.53%、東証1部時価総額が前日比+1.51%、東証1部の値上がり銘柄数1,409(82%)、大証1部時価総額が前日比+0.92%、マザーズ指数が前日比+3.04%、JASDAQ指数が前日比+1.29%(JASDAQグロースが前日比+1.66%、JASDAQはスタンダードが前日比+1.27%と大型株から小型株まで幅広く買われてほぼ全面高となっています。
為替相場は前日比では円高ドル安である100.2円を超える水準を取引時間中は終始保っており、さらに香港ハンセン指数はずっと前日比で300香港ドル近い上昇となっていたほか、上海総合指数も大きく下落する場面が見られなかったことなど売り材料に乏しかったこともあって上昇しやすい状況になっていたようです。
日経平均は朝の寄り付きの9:00に14,149.50円と本日の最安値をつけた後に9:15に14,219.39円と取引開始後僅か15分で約70円近く上昇して前場のほぼ最高値をつけており、前場はほぼこの間の水準を推移する形となりました。
もっとも相変わらず中国関連の株式市場を材料とする下落への不安感は残っているようで、香港市場などが開く10:30頃までは伸び悩み、昼休み時間中の中国関連の株式市場の下落を材料に下落したことが多かったこともあってか、11時台に少し弱含むといった調子で前場は取引開始直後の上昇を超えられないまま終わっています。
後場は香港や上海などの中国株式市場の堅調さを確認したせいか、若干ギャップアップして始まりましたが、12:00頃に約0.2円ほど円高ドル安となっていたことが影響したのか、後場の寄り付きでは前場の最高値を下回っており、一般企業の昼休み時間中である13:00頃まではその水準を維持したままとなっていました。
13:00頃から再び円安ドル高へ為替相場が反転した辺りから日経平均は再び上昇基調となり、13:40に14,276.39円へ上昇して一段高となりましたが、14:35の14,298.16円から14:43の14,252.77円へ約8分で約50円の下落するなどその後約1時間に渡って一進一退を繰り返していました。
この辺りは香港・上海市場も為替相場も特に大きく変化せずに同様に一進一退を繰り返していたことから、売り買い共に強い手掛かり材料が乏しかったことによるものと思われます。
しかし、14:43以降に先物が急速に上昇したためそれに釣られる形で日経平均も上昇に転じ、大引けのところで先物や日経平均への寄与度の高い銘柄への集中的な買い仕掛けがあって一気に14,300円を超えて14,309.97円と前日比+291.04円の大幅上昇して終わる形になりました。
ところが、後場の一段高の中で2度ほど14,300円に近いところまで上昇し、大引けで14,300円という大台突破したことは、大引けの辺りでの急上昇の時間帯には若干円安ドル高が進んだくらいで、香港・上海市場も特に上昇していませんので、一見すると明確な材料もなく買い方が強気になって一気に上昇して14,300円という大台突破という形を作ろうとしたとように見えます。
ですが、日経平均の価格形成に影響を与えるとされるシカゴグローベックスの日経平均先物のチャートを見ると判る通り、実は東証の取引が始まる前の日本時間8時台(シカゴ時間18時台)に既にシカゴグローベックスの日経平均先物は14,300円弱の水準まで上昇しているのです。
では、この日経平均先物の上昇の根拠になったのは何なのでしょうか?
その答えは恐らくシカゴグローベックスのダウ平均先物の価格が前夜の欧州市場の安定を理由にその頃に既に15,040ドルを上回る水準で安定していたのです。
つまり、はこのシカゴグローベックスのダウ平均先物の上昇を受けて日経平均先物が一時的とはいえ着けたものであることを根拠に14,300円という水準を目指したのだと思われます。
なお、本日の日経平均は朝の寄り付きの初値14,149.50円が最安値で、大引けの終値14,309.97円が最高値となったので日中値幅はこの差の約160円となっており、前日の約130円より拡大したもののほぼ右肩上がりの上昇となったため、買い方にとっては安心感の持てる安定した相場になりつつあるといえそうです。
個別銘柄の前日比での上昇を見て行くと、日経平均寄与度が高い銘柄が牽引する形となり、日経平均が前日比+2.08%がTOPIXが前日比+1.53%や東証1部時価総額が前日比+1.51%を上回る形になっていますが、時間帯ごと変化はチャートの通り日経平均とTOPIXがほぼ並行して変化しており、ザラ場などの日中の値動きついては日経平均寄与度が高い銘柄のみが極端に引き上げていないと思われます。
なお、売買代金で見ると、東証1部が前々日の2.32兆円から前日の1.93兆円そして本日が2.50兆円、大証1部が前々日の335.44億円から前日の255.61億円そして本日が307.22億円と前日より少し増えたとはいえ、米国の休日により海外投資家の売買が少なくなったことが影響して、大型株は薄商いの状況が続いています。
そして、小型株や新興株が主体のJASDAQはスタンダードが前々日の654.50億円、前日の861.16億円、本日が794.79億円、グロースが前々日の97.64億円、前日の54.24億円、本日が38.24億円と前日よりもさらに減少しており、小型株や新興株も薄商いの状況は変わっていません。
この後はいつもと同じく中国株や為替のチャートと定点観測的に見ている主要銘柄を見てまいりましょう。