こんばんは!
今日は朝の寄付きはNYダウ下落を受けて大幅に下落していたシカゴ日経平均先物の終値にさや寄せする形で始まりました。
私自身は今朝の日記に書いたとおり、特に戻りを試す手掛かり材料がない上、ポジションを持ち越すのを嫌がる人が多い週末ということもあり、大幅続落して終わると見ていました。
ところが実際の株価は終値では日経平均が大幅反発となるなど全体としては株価が上昇となり、予想外に良い結果となっています。
日経平均先物の株価のチャートと出来高の推移をみると判る通り、朝の寄り付き時点の約12,700円から仕掛け的な買いが入って9:13に12,800円まで戻したもののその後は再び12,700円近くまで下落する場面もあり、10:49に12,745円を付けた辺りまで決して戻りを試していたとはいえない状況になっています。
実際の現物株で構成される日経平均そのものもやはり10:49に12,756.54円をつけており、先物同様に値戻しが進まず前日比大幅続落の状態が続いていたことがわかります。
しかし、後ほど詳細な値動きとチャートは個別に述べますが、ファーストリテイリングやファナック、京セラ、信越化学といった日経平均寄与度が高い銘柄は先に述べた日経平均が最安値付近で停滞していた間も先物への仕掛け的な買いが入って一旦日経平均が値を戻したころの株価を維持できており、これらの銘柄については値戻しの効果が持続していたことがチャートから伺えます。
この様に平均株価への影響力が大きな銘柄が安定していたことに加え、トヨタ、ホンダなどの輸出関連の主力銘柄が安値付近で停滞していたとはいえ、ドル円相場が10:52に96.92円まで円高ドル安が進んだにも拘らずその影響による下落幅の拡大は見られませんでした。
つまり、平均株価も主要銘柄も低いとはいえ、更なる下値を目指すような売りの大きな売りの仕掛けが見られなかったのです。
そうした点を見越して11:00の少し前にまず最初の仕掛け的な先物の買い上がりが行われ、それを受けて日経平均が11:05に12,875.65円まで値を戻すことに成功し、前場の引け前後まで先物を約12,900円で買い支えて維持することに成功しています。
この仕掛け的な買いの際には先物買いの裁定取引で先物と連動して上昇する傾向にあるとされるファーストリテイリングやファナックではなく、同時並行して円高ドル安から円安ドル高へ戻し始めた為替との合わさって、日経平均寄与度が高く為替の影響を受け易いホンダを上昇させると共に、トヨタ、マツダ、日産自動車、富士重工といった自動車株が一斉に上昇に転じる形になっています。
こうした為替相場の変動と合せた値戻しとなったことで、日経平均の回復が先物主導による不自然な動きに見られなかった面があるのではないでしょうか。
実際には朝の寄付きからの値戻しで言えばやはり先に述べた日経平均寄与度が高い銘柄が実は主導していたのですが、前場の終わりごろの値動きによってそれを隠すことにも成功したようです。
後場の日経平均は寄り付き直後に先物への仕掛け的な買いが入って12:35に12,979.31円まで値を戻した後は13:30頃までは一進一退の状況が続き、更なる値戻しは進みませんでした。
こうした日経平均が停滞していた時間中の値動きを見るとファナックが12;33に付けたその時点までの本日の最高値から200円近く下落し、自動車株を中心とする輸出銘柄も同様に値を崩して平均株価の足を引っ張っていたのですが、不動産大手の株価は12:53頃に後場の最安値を付けた後再び上昇して平均株価を下支えする形となっており、主役を交代しながら平均株価が維持されることで値戻しが幅広い銘柄に広がる傾向になっていたようです。
このような値戻しの広がりが進んだところに、13:30ころから4・5回ほど先物へ比較的大きな規模の仕掛け的な買いが入って14:29に13,330.35円へ急上昇させることに成功し、一気に前日比約300円の大幅上昇へ一気に形成を逆転したのです。
この間には日経平均寄与度が高い銘柄はもちろん上昇したのですが、為替相場で円安ドル高が並行して進行したこともあって輸出銘柄なども並行して上昇したほか、メガバンクや不動産株なども上昇するなど幅広く値戻しを実現しています。
ただし、13:31の30,100円から14:29に31,950円まで約6%上昇したファーストリテイリングに代表されるようにこの値戻しはとにかく日経平均を上昇させようという買い方の強い意志によって多少の無理を覚悟で進められた面があるといえそうです。
こうした日経平均の上昇の演出を巡る攻防は投資家心理に終値が大きな影響を与えるため、日経平均寄与度上位の銘柄と3大自動車メーカーであるとよた、ホンダ、日産自動車、そして三井住友と三菱UFJといったメガバンクについては大引けの出来高が本日最高となる形で最後まで激しく行われましたが、日経平均は前日比215.55円高の13,230.13円で終える形となりました。
こうした流れを見ると、今日は買い方による仕掛けが有効に働くことで、株価の先行きへの不安も影響して円高ドル安が進んでいた為替相場を反転させ、それが輸出関連銘柄の上昇へ繋がり、株価の値戻しは一段と進むという好循環が上手く実現したと見て良さそうです。
このような形で進んだこともあって、日経平均は前日比+1.66%となっていますが、TOPIXは前日比+0.70%、東証1部の時価総額は前日比+0.72%となっていますから、仮に日経平均を+0.7%の上昇率とした場合は前日比+98円となるので、本当の株価の上昇率は実は日経平均よりも小さいと言えるのではないでしょうか。
ただし、昨日6月20日は日経平均は前日比-1.74%となっていますが、TOPIXは前日比-1.33%、東証1部の時価総額は前日比-1.27%と今日と逆の形なっていますから、極端に強引な日経平均の値戻しとは必ずしも言えないと見ることも可能です。
来週月曜日以降の日本の株価の動向はこの2日間の値動きをどう見るかで反転上昇の可能性についての判断が別れる様に思われます。
今日見られた買い方の値戻しにかける強い意思と、それに素直に追随した他の投資家の心理好転を重視するならば、今週はFOMCショックを乗り越えて下値を固め、反転上昇の切っ掛けを掴んだと見るのが一つの見方といえます。
それに対して今日の値戻しは日経平均に関連した銘柄や円安効果が出やすい輸出銘柄や目立つメガバンクなど上場銘柄の約半分しか値上がりしなかった歪んだ値戻しであり、本当の値戻しとは言えないというもう一つの見方もあると思われます。
この辺りの評価は今夜のNY市場の動向とそれを受けた来週月曜日の値動きによって、どちらの見方を重視するのかの判断が変わってくるかもしれませんね。
では、いつもの様に主な銘柄の動きを確認して参りたいと思います。