株価が暴落すると強気派は慎重派へ、慎重派は弱気派へ、弱気派はパニックに・・・・・
これが一般的な投資家心理の変化だと思います。
週末の日本株が思ったほど反発しなかったのはこの様な投資家心理の変化に加え
ヘッジファンドによる先物の売り崩しが原因だと思われますが
投資家心理は海外も同様と見られ、週末のCMEは円高傾向も重り大幅安となりました。
http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXNASGD2500G_25052013MM0000
確かに先週の暴落前日までは強気派が大勢を占め
少なくとも参院選まで大きく崩れることは無いだろうという思惑が蔓延していた様な気がします。
そういう私もG.Wまでは何時暴落が起こっても可笑しくないという慎重派でしたが
いつの間にか大勢に流されていた様で、ヘッジファンドの決算すら軽視していたのがその証拠です。
ところで多くの場合株価の急変は油断が蔓延している時に突然起こります。
ブラック・マンデーを例に挙げれば
ニューヨークで靴磨きの少年が客に株式投資を勧めている光景を見た投資家が
株価の暴落が近いことを予見したという逸話が残っていますが
それくらい株価が下がることなど有り得ないという油断が蔓延していたということでしょう。
そこでもう一度ヘッジファンドの手口を整理してみます。
今やヘッジファンドは株式市場だけでなくあらゆる相場を動かす中心的存在ですから
相場が予想外に急変した時は、殆ど彼らが関わっていると考えてまず間違いありません。
株式市場の場合、買い上げて高くなると売り抜けるという点では仕手筋に似ていますが
相場が弱いと判断すれば一転して先物で売り崩し、安くなったところで再び現物を買い
また吊り上げて売り抜ける、しかもその過程で為替や債券相場も同時に操作する訳ですから
我々個人には到底勝ち目などありません。
また今回の株価暴落は日本国債の思わぬ金利上昇が原因の一つだと言われていますが
以前から予測されていたことでもあり、単なる後付けの理由に過ぎません。
普通に考えれば日銀が異次元緩和策を打ち出した以上金利は下がって当然ですが
異次元緩和とは日本国債のおよそ70%を日銀が引き受けるということですから
国債市場の流動性が大きく低下することを意味します。
つまりヘッジファンドが国債価格を操作しやすい環境が整ったことにもなる訳です。
この様にヘッジファンドはアベノミクスに便乗して円売りドル買いで日本株を吊り上げ
同時に流動性が大幅に低下した国債市場にも介入し金利の上昇を演出した。
そして売り抜けた後の株式市場が弱気だと判断し一転先物で売り崩しを図った・・・
・・・もしこの様なシナリオであったとすれば
週末のCMEに彼らの意思が関わっていたとも考えられます。
つまり金曜日の後場に先物で売りを仕掛け、CMEで追い打ちをかける。
週明けの東京市場がまんまとCMEの下げに動揺して一段と下げればそこで現物を仕込む。
まるで仕手筋の篩い落としと同じ戦法ですが
だとすれば明日安く寄り付いたところを見計らって仕込むのも一考ではないかと思います。
以上は殆ど私の勝手な憶測に過ぎませんが
明日はCMEに鞘寄せして安く(NK225で300円安くらい?)始まるという前提で
既に仕込む銘柄を決めて待ち構えています。
ところで、CMEは大証に比べその取引規模は十分の一程度であるにも拘らず
翌日の東京市場に影響を及ぼすという摩訶不思議な歴史的事実がある訳ですが
その主な原因は、東京市場は外国人の売買比率が高いことと
国内投資家がCMEに鞘寄せすると思い込んでいるからだと思います。
この様に不健全、且つ公正さに欠ける東京市場で個人が生き残るためには
機関投資家(特にヘッジファンド)の行動様式を理解することは不可欠です。
また、しばしば株は心理戦だと言われますが
個人投資家が機関投資家の手口を知らなければ戦いにすらなりません。
因みにヘッジファンドの次回決算は11月に集中しますから
今度は同じ轍を踏まない様充分注意したいものです。