冒頭の添付資料は国債利回り10年物の前年同月比を示したものです。
このところ金利の上昇が騒がれ株式市場にも悪影響を及ぼしていますが
10年物の利回りを1年前と比較してみるとむしろ低下していることが解かります。
確かに政府・日銀の新たな緩和政策によって金利は低下傾向にありましたが
上昇したとは言ってもまだ昨年の水準以下であり、最近の騒ぎは少々過剰気味だと思います。
恐らく黒田日銀の金融政策が異次元緩和という大胆な言葉で広まった結果
誰もが金利の上昇はあり得ないと考えていた反動が過剰な反応の原因ではないでしょうか。
しかし金利の上昇がマイナスに作用する企業にとっては大きな問題で
特に財務内容の悪い不動産業は戦々恐々だと思います。
因みに不動産業数社のバランスシートを覗いてみましたが
利益剰余金がマイナス、株主資本比率が低い、負債額が大きい・・・等々
問題を抱える企業が結構多いことに気付きます。
また流動比率(流動資産÷流動負債)が100%を大きく超えている企業でも
流動資産の中で仕掛販売用不動産(建築中の物件など)の占める比率が高く
景気回復を期待して見切り発車した物件もかなりあるのではないかと少々心配になります。
最近まで不動産株は猫も杓子も買われて来ましたが
今後は財務内容をしっかり見極めて投資しなければ痛い目に遭うかも知れません。
特に銘柄名は出しませんが(想像すればすぐ分ります)
いわゆる低位株やボロ株の範疇にある銘柄は、例え直近が黒字決算であっても
金利が大きく低下しない限り倒産リスクが極めて高いと考えて置く方が賢明でしょう。