こんにちは。socialcolorです。
最近の株式市場の状況をみて、少し投資をかじった(失礼)初心者、中級者が陥り易い誤った投資について、老婆心ながらバブル崩壊、サブプライム・リーマンショックで痛手を受けながら乗り切った経験を基に少し書いてみたいと思います。以後の投資活動の一助として頂ければ幸いです。
(あくまで、初、中級者向けですので、上級者、プロの方は読まないでというか、読む必要ありません。)
1.ファンダメンタル重視の投資の誤り
(業績の良い会社、良くなる会社の株が上がると思って買ってませんか?)
現在の株式市場は、オプション、先物、信用等の決済期限がある取引を行うヘッジファンドの存在が大きくなったため、ファンダメンタル(経済情勢)ではなく、需給(ある時点での売買数量の大小)重視の取引に変化していることを理解する必要があります。
リーマンショックやシャープ株急落の後、株価が急回復したことは周知の通りで、これは業績回復やその見通しによるものではなく、先物、信用等の売り物の買戻しによるものと考えられます。(特に取引数が少ない場合に、この傾向が顕著となるので注意が必要です。)売買時には、最低貸借倍率、板情報は確認しましょう。
また今日の情報社会にあっては、業績の良し悪し等の情報は自身が得た時点で既に広く認知されていると考えるべきで、過度にファンダメンタルを重視する投資は、損失を招き易いと考えられます。
2.長期投資※の誤り ※バリュー株投資とは意味が異なるので要注意
(優良企業の株を長く持ってればいつか上がると考えてませんか?)
日本の株式市場において、設立以来半世紀以上の長い歴史をもつほとんどの企業の株価は、バブル期の株価以下となっています。ということは、1970年代後半~1980年代前半に優良企業と言われる株を買って持ってる人は、ここ30年以上、ずっと損していることになります。(分かり易いように極端に書いてます)
ファンダメンタルは最重要ではないとはいうものの、株価の上昇には収益の拡大は必要不可欠なものであり、経済成長の鈍化した国の成熟市場においては、大きな企業収益の拡大は望みにくく、従って、優良企業の株式を長期に保有したとしても株価が上昇するとは言えないと思われます。(ただし、社会にイノベーションをもたらす(と考えられる)ベンチャー企業等への投資については、この限りではありません。)
3.分散投資※の誤り ※機会分散を除く
(あっちこっち、分けて投資すれば(色んな株買ってれば)みんな下がることはないから安心なんて考えてませんか?)
これについては、投資理由により解が異なりますが、ここでの誤りは積極的にキャピタルゲインを狙う場合です。
基本的に分散投資は、相互に異なる値動きを持つ投資対象に分散して投資することにより、急激な価格変動のリスクをヘッジしようという考えでありますが、価格の低下のみならず、上昇についてもヘッジしてしまうこととなります。(要するに、大きな価格の変動についてならしてしまうことになるんですね。)
人は心理的に値上がりした投資対象を先に売却して利益を確定、値下がりした投資対象を損失を確定したくないために長く保有しがちで、同時に保有した場合、どうしても損失が拡大し易いと考えられます。また近年においては、グローバル化が進行、リーマンショックを例に出すまでもなく、分散した全ての投資対象が同時に値下がりするという事態も往々に生じています。
従って戦略のない無暗な分散は、せっかくの物量によるメリットを阻害する結果になりかねません。
4.ルールによる売買の誤り
(損切りルールを設けてるから、大損しないよと考えてませんか?)
大口投資家であるファンド(特にヘッジファンド)の運用は、高度な金融工学を用いてプログラムされたロボット運用が主流となっていますが、急激な価格変動については損失を最小限に食い止め、リスクを減らすため、取引をクローズ(強制決済)するよう、プログラムされているものがほとんどです。
価格がいくらであろうと機械的に行うため、レバレッジをかけた運用を行うヘッジファンド等、売買価格が大きい場合、瞬間的に価格の暴騰暴落が生じることが多々あります。
個人がこれと同様に、一定の下落(上昇)、損失で決済とのルールを設けてシステマチックに株式等の取引を行った場合、度重なる損切り、損切り後の高騰、暴落といった事態を招き易いと考えられます。
これを避けた上で利益を上げるためには、
・徹底したバリュー株投資
(’割安’の株を買うということ。何を以って割安と判断するかが難しいですが)
・投資機会の分散(’時間’を分けて投資する)
・エントリーの際、期間、この価格で決済という計画を立てる(判断の誤りに気付いた時点での撤退)
・自身がプロである業種への投資等、得意分野における集中投資
・自身の投資経験に基づいたノウハウを持つ
(この形になれば自信があるという、勝ちパターンを持つ)
・忍耐と信念(行きつくところ、これが最重要。勿論、上記の判断を行った上でです)
などが必要と考えられます。
以上、ご参考まで。