相場師‥ ‥ トレーダーと相場師って、チェスと将棋みたいな感じ‥‥ かな? ‥
この本の書評を今みつけたので、(いつか読んでみようと思っているうちにすぐ忘れてしまうので)UP☆
以下抜粋☆
例えば、谷崎潤一郎の父、福沢諭吉の養子、松下幸之助の父、渋沢栄一の従兄も相場師でした。永井荷風本人は株取引で資産運用していましたし、夏目漱石本人も満鉄株を大量に保有していました。
このように、世に名を残す人は、本人または周辺の親族に、お金のにおいに敏感な人たちが多いのは事実です。
逆の見方をするならば、清濁併せのむ度量がなければ、世に名を残すことができないのかもしれません。
この本の中で、勉強になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。
・碁や将棋の「棋力」というのは、知識のことではない。相場においても、技術を自分の力にする努力もしないで、上手になりたいというのでは、筋が通らない
・相場の3要素、実践の3つの基本とは
1.予測(先行き高いか安いかを分析、予測する)
2.技術(売買の具体的なやり方が必要)
3.管理(持ち株と資金の管理をする)
・相場上達には、「ホンネに迫ること」「趣味的要素の排除」「金儲けの仕事のしかたを身につける」ことが必要
・どんな分野でも、アマチュアあってのプロであり、アマチュアを馬鹿にするプロが長続きしたためしがない
・相場で生活費を捻り出して生きている人たちは、リスク管理が徹底している。生活が派手になると、玉の操作が粗雑になるので、極力ストイックな生活を自分自身に強いている
・「明るさ、素直さ、頭が悪くないこと」は至極平凡であるが、最も重要な儲かる条件である
・立場を明確にできない(よりどころを持てない)のは、気が多すぎるから。理論的教育を受けたはずのファンドマネージャーたちが、「よりどころ」を持たない傾向があるのは不思議なことある
・よりどころがなければ上達しない。生け花なら、古流華道教授、池の坊教室、剣術なら、神陰流道場、小野派一刀流指南といった具合に、習う者は習いたてのはじめから、ひとつの主義主張を持たされるわけである
・片寄ってもいいから、とにかく「実践できる主義主張を持つ」ことであり、それが相場師なのである
・すべての方法・流儀は特長があるから存在価値があるのだが、反面欠点を併せもつ。欠点を補おうとせず容認せよ。すなわち、上達のためには、ひとつの方法・流儀を専一に学び身につけよ
・ピアニストというからには、音楽感覚にすぐれ、ピアノを弾くわざに巧みな人、というのと同じく、相場師であるからには変動感覚にすぐれ、売買技法に巧みでなければならない
・あまりに目立たず、消極的ではあるが、「禁止事項をやらないこと」「注意事項を守ること」の方が大儲けの実現には近道である
・最も重要な「読み」と「方法」、すなわち「感覚」と「技術」を自分のルールの中に採り入れなければ儲かるわけない。
・相場においては、売買といわれるが、売りのほうが重要
・予測を口にしなくなってくれば、ひとりよがりの考えが是正されてきた兆候である
・市場において値がついたということは、そのとき、あらゆる観点からみて、強弱のバランスがとれていたということにほかならない
・人気料を含んでいる相場は、その人気料の多寡にかかわらず、すべて売り
・商人は、手持ちしている商品を、一刻も早く売りさばいてしまいたいと思っている。そして売り急ぐ。しかし、また仕入れる。しかし、また売り急ぐ。その繰り返しが商業の宿命である
・不確定要素の「理想買い」と「現実売り」が対立する。それは、一般投資家の買いに対して、商社、自社玉、ヘッジャーおよび相場師の売りという構成
・相場でも、ひとつの狭い流儀に上達すれば、売買が上達したことになる。問題は広さではなく水準の高さである
・他人の良いところ、その人なりの売買の特長をほめるようになれば、明らかに力が備わってきている。自分に実力がなければ他人の実力はわからない。自分の力でしか、ものは見えないもの
・絶対に儲からない人に2種類ある。ひとつは、生活に困ることがない程度に、下手で相場を楽しんでいる人。もうひとつは、大儲けしようと目を血走らせている人。目が見えなくなったら、人生の破滅、家庭の破滅までいってしまう
・「商品に惚れてはいけない」これは商人としての鉄則。立派な品物でも、それは売るためのモノ。モノというのは持つものではなく売るものである
・アマチュア投資家の失敗のひとつは、その株やニュースに惚れること。株でも、商品でも、どんないいニュースがあっても、利益を得られるかどうかで判断しなければならない
・株の世界には八百屋の理論(「大根、トマト、芋を仕入れた。トマトでは損をしたが、大根と芋が高く売れて差し引きで利益」「今日のトマトは損しても売ろう」など)が有効。消費者の目ではなく、商人の目を持つ。言い換えれば、商人の仕事として売買を行うことが大切
昔、ある小売業の社長から、「売れてはじめて商品。陳列されているのは、まだ商いが終了していないから商品ではない」と教わったことがあります。
著者も売ることの大切さを力説しています。売ってはじめて利益になることがわからない人は、投資の世界には不向きなのかもしれません。
この本を読んで、相場師の世界も、長期にわたって成功する人は、努力家で、地味で、真面目な人だということがよくわかります。
どんな世界でも、成功する人は皆同じです。金儲けの道を志す人は、目を通しておきたい1冊ではないでしょうか。