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洋上浮体式風力発電の有用性

先日地熱発電の有用性(稼働率と資源の豊富さ)について書きましたが

それに次ぐ再生可能エネルギーとして洋上風力発電が話題になっています。

洋上風力発電は、陸地から100m前後の洋上に浮体式の風力発電機を設置する方法で
設置場所の選択が容易、稼働率が改善するなどのメリットがある上に

近い将来数百Mw規模に及ぶ洋上ウインドファームの建設も可能と言われています。

イギリスでは総事業費13兆円をかけ、7000基(合計3300万Kw)を海上に設置する計画がある様ですが
最終的に国全体の電力消費量の三分の一を風力発電で賄うそうです。
日本もイギリス同様、洋上風力発電には適した環境にあるため
コスト、性能、耐久性などの各面で、より改良された発電機の誕生が期待されています。

<風力発電の問題点>
①風任せ  ②騒音  ③低周波音による健康被害(聴力障害)

④強風や落雷による破損  ⑤自然環境破壊(動植物に与える影響)  ⑥腐食 

⑥耐用年数が短いため(約17年)撤去費用が嵩む  ⑦建設・撤去等による税負担が増える  など

洋上に設置することで騒音被害はかなり解消出来ると思われますが
塩害を受けやすいこと、メンテナンスや管理が難しくなるなど新たなデメリットも考えられます。
最も大きな課題はコストと耐久性ですが

設置コストは陸上並み、耐用年数も100年を目指し改良が進んでいる様で
これらの課題が解決すれば稼働率の低さを考慮しても

何れ地熱発電と共に再生可能エネルギーの柱になる可能性は高そうです。

コストに関しては、山間部や海岸沿いに設置するより低く抑えることが可能。
因みに、従来の陸上型は最大出力750Kw以下のものが多く設置費用は概ね1基2億円前後。
(1000Kw以上になると管理者が必要になるため、メンテナンス費用以外に人件費が発生)

次に発電能力ですが、1世帯当たりの月間電力使用量を300Kwhと仮定した時
出力1000Kwの風力発電機(稼働率20%)で賄える世帯数を計算すると次の様になります。
1000Kwh×24h×(365-7day)×20%÷300=5728世帯  (-7dayは保守点検のため)

(参考:日本の総世帯数はおよそ5200万世帯)

ところが定格出力は風速15mを想定しているため
実際には5840世帯÷3=1909世帯くらいが妥当な数字ではないかという話です。

(故障などのトラブルが無いと仮定した場合)

何れにしても洋上浮体式風力発電機の性能や耐用年数が大幅に改善されれば
地熱発電と並び、日本では極めて有用な再生可能エネルギーになり得ると思います。

<主な洋上風力発電関連企業>
7004 日立造船 、5802 住友電気工業 、1885 東亜建設工業 、1890 東洋建設 、6502 東芝
JFEスチール 、日本気象協会   以上「地域振興型アクアウィンド事業化研究会」参加企業

その他の関連企業はこちら → http://finance.nifty.com/cs/theme/dtl/00012420100506001/1.htm

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