[マドリード 22日 ロイター] スペインの銀行問題に関連し、同国政府は各行へのストレステスト(健全性審査)を10月までに再度実施する予定で、審査では7行が焦点となる見通し。外部監査後に公表された複数の文書で明らかとなった。
スペインは、ユーロ圏各国と合意した最大1000億ユーロの銀行支援枠組みで、銀行への直接資本注入を望んでいるが、ユーロ圏各国はこの考えに否定的な見解を示しており、ストレステストの実施により、スペインは最低2カ月間の交渉期間を得ることになる。
デギンドス経済相は、銀行への直接資本注入は選択肢として残っているとしている。
外部監査の結果では、サンタンデール銀行(SAN.MC: 株価, 企業情報, レポート)、BBVABBVFA.MC、カイシャバンク(CABK.MC: 株価, 企業情報, レポート)の大手3行が、厳しいストレスシナリオ下でも資本不足に陥らないとされ、当面の問題行はバンキア(BKIA.MC: 株価, 企業情報, レポート)、カタルーニャ・カイシャ、ノバガリシア、バンコ・デ・バレンシアの4行に限られるとした。
これにより、審査対象14行中、サバデル(SABE.MC: 株価, 企業情報, レポート)、ポピュラール(POP.MC: 株価, 企業情報, レポート)、イベルカハ・カハ3・リベルバンク、ウニカハ・CEISS、Kutxabank、バンコ・マレ・ノストルム、バンキンテル(BKT.MC: 株価, 企業情報, レポート)の7行が今後の焦点となる見通し。
スペインは国内銀行セクター全体を対象に追加引当金の積み増しを求めることはない見通し。政府筋が22日明らかにした。
スペインは21日、国内銀行の外部監査結果を公表し、景気の大幅な悪化を想定したストレスシナリオの下で510億―620億ユーロの追加資本が必要になると明らかにした。
政府筋は、追加の資本増強はセクター全体ではなく、各銀行ごとに行われると指摘。「完全に銀行ごとに行うことが焦点となっている。追加の資本バッファーは、必要としている銀行に対してのみ行う」と語った。
投資家が保有する債券の「ヘアカット」(元本の減免)が伴う可能性のある銀行の清算は検討されていないと話した。