いよいよ今日は、ギリシャの再選挙。
事前の世論調査で緊縮財政派がやや優勢と伝えられ、ユーロ離脱は無いとの見通し、もうギリシャ問題は織り込み済みとの安心感が広がっている様だが本当だろうか?
ギリシャでは、緊縮財政派の方が少数である。
ただ、第一党に与えられる50議席で、勢力が上乗せされるために、前回の選挙では緊縮財政派と反緊縮財政派の議席が拮抗する事態となっていた。
報道されている世論調査を信じれば、緊縮財政派の新民主主義党が第一党を確保するも旧連立与党では多数を確保出来ず、連立工作に入る事態が再度繰り返されることになるのではないだろうか。
ただ、今回も連立工作が難航する様だと苦しい。
再々選挙となれば、追加緊縮政策の実施が遅れることになり、支援条件未実行であることによる追加支援打ち切りが現実味を帯びてくる。
ギリシャ政府の資金が枯渇目前で、交渉による管理されたものでない、突発的なデフォルトの危険性も高まっていく。
新民主主義党も支援条件の追加緊縮政策の緩和を政策に挙げているので、今回は連立工作が成功するかもしれない。
しかし追加緊縮政策の緩和については、欧州は反対している。
支援を打ち切られれば、ユーロ離脱、ドラクマ切り替えを図る時間さえも無く、破綻する。
欧州の中央銀行がギリシャ政府に貸し込んでいる1000億ユーロ、ECBが購入している560億ユーロのギリシャ国債、欧州の民間銀行が、ギリシャの民間部門(企業、家計)に貸し込んでいる560億ドル(11年末)
国家破綻させて、影響なし、織り込み済みと安心出来る金額ではない。
選挙後の残り少ない時間に、お互いの破滅と大損失を賭けたチキンレースじみた交渉が行われることが確実な状況を「安心」するのは、楽観的に過ぎるのではないだろうか?