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インド 格付け下げ懸念 投資適格級の格付け失う可能性

インド、BRICで最初に投資適格級の格付け失う可能性=S&P

[ムンバイ 11日 ロイター] 格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は11日、インドについて、国内総生産(GDP)の伸び鈍化や、政治的な障害で経済政策の決定が滞るという事態に陥っており、BRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で最初に投資適格級の格付けを失う可能性がある、との見方を示した。


インドの格付けは現在、長期が「BBBマイナス」、短期が「A─3」。見通しは今年4月に「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更している。


新たなリポートでは「成長率鈍化や経済ショックへのぜい弱性の高まりに対して、インド政府がどう対応するのかが、同国が投資適格級の格付けを維持できるのか、それともBRIC初の『堕天使』となるのかを決定づけるだろう」とした。


バークレイズ・キャピタル(シンガポール)の債券ストラテジスト、Kumar Rachapudi氏は「リポートを受けインドルピーや債券相場が動いた」とする一方、「リポートの日付は新しいが、内容そのものに新味はない」と指摘。4月に見通しを変更した際の説明とあまり変わっていないと述べた。


S&Pの発表を受け、インド株.BSESNはマイナス圏に沈む一方、ルピーは対ドルで約1週間ぶり安値となる1ドル=55.82ルピーまで売られた。


S&Pのクレジットアナリスト、ジョイディープ・ムカージ氏は「経済自由化への動きが挫折したり、逆行したりすれば、長期的な成長見通し、引いては、信用の質が損なわれる可能性がある」と述べた。


インドのGDP伸び率が鈍化するとの見通し、対外流動性や財政の柔軟性が失われるリスクがあるとの見方を背景に、S&Pは2012年4月、インドの格付け見通しを「ステーブル」から「ネガティブ」に引き下げた。「ネガティブ」の見通しは、インド当局が経済ショックに対して迅速かつ断固な対応ができない恐れがあるとの見方を反映している。


ムカージ氏は「改革推進への政治的な機運の後退と経済情勢の悪化を背景に、予想外の経済ショックが起きた際にインド政府が経済自由化を逆行させるリスクが高まった。そうなれば、対外セクターや金融セクタの自由化の動きが、逆戻りする可能性がある」との見方を示した。


ただし、最近のこうした問題にもかかわらず、インド経済の状態は引き続き、1990年代初頭と比較するとかなり良好であり、不透明感が世界的に高まっているという現在の状況に対処できると判断されるとした。


*内容を追加して再送します。

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