JR西日本明石駅の元駅員が不正に再発行した定期券を払い戻す手口で計約8600万円を着服したとされる問題で、兵庫県警明石署は14日、詐欺と有価証券虚偽記入・同行使の疑いで元駅員の無職宇留島剛うるしま・つよし容疑者(50)=同県明石市=ら4人を逮捕した。
ほかの逮捕者は、元同僚の無職東郷護靖とうごう・もりやす容疑者(25)とJR西日本社員宇垣貴裕うがき・たかひろ容疑者(24)、宇留島容疑者の知人で清掃会社社員西田和史にしだ・かずふみ容疑者(42)=いずれも同県=の3人。
明石署によると、宇留島容疑者は「着服した金は暴力団関係者に渡した」と供述。県警は金銭トラブルの有無を調べている。4人は容疑を認めている。
逮捕容疑は共謀の上、1月、明石駅の発券機で、西田容疑者名義の定期券を再発行、別の駅の窓口で払い戻し現金約15万円をだまし取った疑い。 JR西などによると、4人のうち宇留島容疑者が着服の中心とみられ、明石駅と隣の朝霧駅の「みどりの窓口」で業務をしていた2006年6月~今年2月、架空の定期券を再発行して払い戻すなど計659回繰り返した。
窓口業務の担当が減った09年2月以降は、明石駅での同僚だった複数の駅員に再発行や払い戻しを依頼。見返りに数十万円の現金を渡すなどしていたとしている。
JR西は今年3月、元駅員ら計7人を懲戒解雇し、明石署に詐欺容疑で告訴していた。
JR西の金平英彦かねひら・ひでひこ執行役員は14日、記者会見し「利用者に申し訳ない。社内風土や社員管理の在り方を見直したい」と話した。