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中国、天津にて(30)

 天津の「海河」縁を天気の良い休みの日に散策するのが日課になっていますが、河の向こうは寒気に凛とした空気の静寂感と遠くの淀んだ霞の架かったような白さに、一瞬見とれて、つい足を休めることがあります。

 視界の先には幾つかの建設中の高層ビル群が見えます。
その中に、まるで品川駅周辺のソニーの入居する楕円形の形と似たビルが1棟見えます。その形から一際目立って見えます。
 このオフィス用のビルは、金融街控股股份有限公司の建設中の建物です。

 この「金融街控股(000402)」は、深圳市場に上場している不動産開発を手がける企業ですが、拠点を首都北京に置き、近年は北京以外の主要都市でもオフィスビルや金融や商業の複合施設の開発プロジェクトを進めています。

 私が注目しているのは、中国企業の中でも万科企業や中集集団、民生銀行などと同様に高成長で、かつ株主にも報いる企業である点です。
 こうした優良企業を探し出して中長期に投資できれば、そのリターンは計り知れないし、株投資の好成績を約束されるからです。
 

 この「金融街控股」ですが、業績は右肩上がりの成長を持続しており、利益も毎年25-50%の伸びを確保してきています。
 その結果、配当では以下のようになっています。

1998年:1.5元/10株、1999年:6株無償/10株、2000年:1.0元/10株、2001年0.5元/10株、2002年:2元+10株無償/10株、2003年:3元+3株無償/10株、2004年:3元+5株無償/10株、2005年:2元+4株無償/10株、2006年:2.5元/10株

 1998年1000株を2300元(約3万4500円)で購入して計算すると当初購入の1000株で株数は、無償株配当により計7740株増えて当初の1000株と足せば、合計8740株になっています。

 98年の時点で僅かに1000株保有しただけで、8年後には株数は8.74倍に増えました。

 一方、現金配当は増えた株数にも付与されますので、煩雑な計算は省きますが8年保有で合計6351元(約10万1600円)となります。

 まず、現金配当だけで、既に元手の2.9倍になっています。
更に、2006年末の株価は1株34元程度でしたので、持ち株の時価総額は、8740株×34元=297,160元(約475万円)となり、元手のなんと約138倍にもなったのです。現金配当と併せると、140倍以上となった計算です。

 しかし、ここで満足してはなりません。
賢人は、この場合受け取った現金配当で、同社の株を更に時価で買い増していたのです。所謂、言うところの「複利」での運用を行っていたのです。その結果、350株以上も持ち株を増やし、現金配当も約100元を増やすことが出来たのです。
 複利で増やした株の時価は350株×34元=11,900元で、現金配当を併せると12,000元増やしていますので、当初の投資した元手の実に146倍以上で運用できたことになります。

 この企業の例のように、高成長を続け、なお且つ、投資家に多く報いてくれる「上場企業」=金を産む鶏、を探し出すことこそ、株式投資の醍醐味ではないでしょうか。
 いま、中国にはこうした企業が数十社近くもあります。また、更に続々誕生しつつあります。
 現在発表中の07年12月度の上場企業の決算は、そのことを如実に物語っています。

                     <つづく>

 
 
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