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根本から考える -エネルギーから食料不足、人口過剰問題へ-

世界の人口動態(地球は満員御礼状態です、縦軸は人口、横軸は年)  by 国連人口白書


 ようやく世の中の論調が原子力発電所の安全問題からエネルギー問題にシフトしてきた。

 一方の極に、原子力は人類が制御できないほど難しい技術であるから、何が何でも原子力発電所は造るべきでない、運転すべきでないと言う人達。そしてその人達の意見によって、古い非効率な火力発電所で地球資源の化石燃料、重油、LNG、石炭をドンドン燃やして、「ほら、原子力がなくてもやっていけるじゃない」という。「これから自然エネルギーの太陽光発電や風力や地熱やメタンハイドレートなどの利用して発電すれば、大丈夫だ。」と楽観的に語る人も。

 やや小さい声ながら、もう一方には無資源国の日本は輸入エネルギーの依存度を下げなくては未来は描けない。同じ電力量を得るためには核燃料(廃棄物を含む)の500万倍の化石燃料(廃棄物を含む)が必要なことをどう考えるているのか。「ついこの間まで、温暖化ガス排出削減が地球環境のためにどうしても必要だと叫んでいた人が、一夜にしてCO2排出問題を忘れてしまうとはあきれて物がいえません。」と非難する人達。「ほら、いわんこっちゃない。電気料金の値上げがせまってきた。」と。


 翔年は当面の課題としてはわが国の原子力発電は容認するべきと考えますが、それでも「野放図に原子力発電所を作るのはちょっと待って!」といいたい。放射能が怖いからではありませんが、グローバルな視野に立つと、全面的な推進派にはなれません。
 それは、もう少し根本の問題に踏み込んで長期に地球環境問題を考えて見ると、推進派が適正な経済成長(3%程度)を前提にして、人間社会の発展を指向しているところに違和感を感じるからです。

 確かに経済成長がなければ、現代社会を動かすパワーは出てこないでしょう。成長がなければ失業者が街にあふれかえるという主張も肯けます。では失業者を吸収するだけの経済成長を達成すればそれでうまく行くかと考える時、大きな疑問が浮かび上がります。

 それは地球上にいる人類の数です。現在地球上に生息している人類は約70億人ですね。国連の人口推計によれば、世界の人口は、1分に137人、1日で20万人、1年で7千万人、増えているそうです。(世界中で、1年に6千万人が亡くなり、1億3千万人が産まれます)70億人の中、飢餓と栄養不良を抱えている人々の数は10億人(14%)を超えており、これが増え続ける傾向にあることが何といっても大問題でしょう。宇宙船地球号はもう定員一杯なのでは?

 何故大問題なのか? 大抵の人は社会が貧しいからと考えるかも知れませんが、それは正解では無いと言わざるをえません。70億の人口を養うだけの食料が不足しているのですが、その主な原因は水不足(灌漑用水が不足)と耕地面積不足と気候変動(不作)なのです。経済各国が経済を成長をさせても、毎年7千万人もの人口増があっては、2025年には世界の人口は80億人に達してしまいます。今でも不足している食べ物がもっと逼迫する状況を考えるとぞっとします。

 わが国は食料自給率が低すぎます。食料安全保障の議論は喫緊の課題でしょう。災害対策より、少子化対策より、何より最優先課題のはずです。政府には少子化担当という専任の大臣がいて、人口増の施策を策定していますが、極めて目先のローカルな問題に見えてしまいます。世界のリーダーであるわが国は、少子化を食い止め高齢化社会を乗り切ったことによってではなく、地球の人口減少対策を提案し、それに率先して資源(人、金、物)を投入したことによって称えられなくてはならないと思います。それにはまず人口爆発の抑制と食料増産のための教育からはじまる長い道のりに第一歩を踏み出すことではないでしょうか。
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