およそ2000億円の年金資産が消えた可能性があります。金融庁は、企業から預かった年金資産の大部分がなくなったにもかかわらず、その実態を隠していたとして、「AIJ投資顧問」に対し業務停止命令を出しました。
AIJ投資顧問は、120社からおよそ2000億円の年金資産を預かり運用してきましたが、このうち大部分がなくなっているにもかかわらず、顧客にその情報を隠していた疑いがあるということです。証券取引等監視委員会が先月から行った調査で明らかになったもので、金融庁は、金融商品取引法に基づいて、AIJ投資顧問に対し、解約も含めた全ての業務を1か月間停止する命令に踏み切りました。
「投資家保護の観点からAIJ投資顧問に1か月間の業務停止命令および業務改善命令を発出したところであります」(自見庄三郎 金融相)
これまでのところ、AIJ投資顧問は、金融庁に対し「投資家に現在の運用状況を説明できない状況にある」と報告しているということです。また、金融庁は、他の投資一任業者263社に対しても一斉に調査すると発表しています。
突如発覚した投資顧問会社による年金資産の多額の損失の隠蔽。金融庁と証券取引等監視委員会は、厚生労働省とも連携して実態の解明を進める方針です。(24日11:20)