日経記者で日経本社の編集委員まで務めた日経OB、牧野洋氏の著書。
大新聞、テレビ局の報道が、大本営発表的になりがちなことと、その背景について詳細に綴られてます。
帯やタイトルは、出版社の営業でセンセーショナルになってますが、中身は非常に冷静かつ誠実。
米国メデイアの論調は玉石混交だが、日本のメデイア論調は(近年)石ころだらけである、と常々思っていたのですが、そうなる原因が良く分かります。
書き手側によっぽど強固な職業倫理がないと、このシステムに染まるのも止む無しかも、です(同じような図式は医療業界にもありそうです)。
システム、制度の影響は大きいです。
人間は環境に容易に左右される生き物ですから。
で、今の新聞・テレビの系列システムを作り上げた人物として田中角栄が挙げられてますが、やはり角栄は凄い人物だったのだと納得した次第、、、巨大なマイナスパワーを持った人物。
日本国内のニュースソースは(大同小異なので)絞り込み、その分、海外メデイア報道をしっかり併せ見ないと、事実認識を誤るかも、、、これがこの本から得た『気付き(笑)』です。
(補足) 銃社会で身の危険もあり得る中での、米国記者の深掘り調査にかける努力は凄まじい。