[ホノルル 12日 ロイター] オバマ米大統領は12日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されるホノルルで中国の胡錦濤国家主席と会談し、米国民は中国による不公正な貿易慣行や通貨政策に苛立ちを強めていると述べ、かつてなく強い口調で中国を批判した。
米ホワイトハウス高官のマイケル・フローマン氏によると、オバマ大統領は胡錦濤国家主席に対し、米国の国民や企業は、米中経済関係の「変化のペースにますます苛立ちを強めている」と強調。
さらに、米国は「中国の成長を支援している」としながらも、人民元のさらなる上昇を容認し、公平な競争条件を作り上げるとともに、米国の知的所有権を守るよう中国政府に求めた。
ホワイトハウスによると、オバマ大統領は「極めて直接的」な表現で、要求を胡錦濤国家主席に伝えた。
オバマ大統領は「米中の貿易や経済関係に互恵的な関係がなければ、米国は中国を支援できないというのが基本的考え方だ。ルールが破られれば、場合によっては行動に出る」と語った。
一方、Chinanews.comによると、胡錦濤国家主席は、人民元相場が米ドルに対して大幅に上昇したとしても、米国の失業や貿易問題の解決にはつながらないと指摘。
「(米国の)貿易赤字や失業問題は人民元によってもたらされたものではない。たとえ人民元が大幅に上昇したとしても、米国が直面している問題は解決されない」と述べた。