遅くなりましたが、10月28日に経済産業省が発表した9月の鉱工業生産動向を用いて作成した出荷在庫バランスを掲載しておきます。これまで好調を維持してきた自動車を中心とする耐久消費財の勢いが止まり、復興関連や暑夏効果に支えられた非耐久消費財が反落しました。期待される復興需要を担うべき建設財が相変わらず低迷したままです。そのため、鉱工業全体の出荷在庫バランスが反落しました。
まず鉱工業全体の出荷在庫バランスです。反落に転じましたが、わずかなものにとどまっています。
鉱工業の内訳として自動車を主体とする耐久消費財が僅かに下げました。今後タイの洪水の影響も出てきそうですので、注目を要します。
今月目立ったのが非耐久消費財の反落。これまでの被災地域での高い伸びが一段落したこと、暑夏効果の反動などいくつかの理由のほかに、昨年9月が好調であったことも影響している模様です。
資本財は相変わらず軟調な展開です。
輸送用機器を除く資本財も同様に軟調な推移を続けています。
問題は建設財。東日本大震災の復興需要が遅れていることが鮮明です。経済的な問題というより、政治的な問題が、この惨状の背景にあると見られます。ただし、見方を変えれば、今後の鉱工業全体の出荷在庫バランスを引き上げる牽引役となることが期待されます。
鉄鋼(高炉)や化学製品、そして電子部品など中間製品は底打ちが鮮明になっています。鉱工業全体の中での比重が大きいこともあって、今後の展開が期待されます。
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