ギリシャを震源とする欧州の動向に振り回される展開が続いています。問題は、欧州の今後の展開を合理的に推測することがきわめて難しいこと。日経平均株価も、当面は神経質な推移を続けそうです。
11月4日(金曜日)の日経平均株価は160.98ドル、1.86%と大きく上昇して終えています。午後に入って一段と上げ幅を拡大したのが目を引きました。
ECBの予想外の利下げ、ギリシャの国民投票見送りなどのほかに、FRBバーナンキ議長の追加的金融緩和に前向きな姿勢などがあって、好調なスタートでした。午後に入ってからの上げは、ユーロの堅調な推移が背景にあると見ています。
ところが、日経先物の夜間取引になると、基調が悪化しました。G20が期待外れに終わったことや、ギリシャのパパンドレウ内閣に対する信任投票への行方がマーケットの重石になったと見られます。午後8時すぎから12時前まで大きく値を崩しました。
ユーロ円15分足を見ると9時半過ぎから11時過ぎまでユーロが急落しており、欧州の情勢がマーケットの調整の重要な要因であったことが鮮明です。
ダウ平均株価もスタート直後から10時半(現地時間)ごろまで調整色が鮮明でした。
ただし、その後は徐々に下げ幅を縮小して、61.23ドル、0.51%安で終えました。ユーロドルがユーロ高に振れ始めるにしたがって、回復が進んだと見られます。
VIX指数は1.11%低下しました。投資家のセンチメントがわずかに改善を見せましたが、ユーロの動きに連動しているという感じです。
いずれにしても、ユーロの動向が示唆する欧州情勢がマーケットを支配したと言えそうです。10月の雇用統計による顕著な影響は見られませんでした。
CMEの日経先物価格(円ベース)は8,735円となっており、この近辺が月曜日の日経平均株価の寄り付きのメドになりそうです。
ギリシャのパパンドレウ内閣が信任されたことなど良いニュースがある一方で、イタリアでデモが起きるなど不安な動きもあり、日経平均株価も欧州情勢を映すユーロの動きに神経質に反応することになりそうです。
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