書籍オタクなオイラは、馬鹿にされても仕方がないほど経済本を読むのだが、
中国経済の未来に関して著名人は色々言っている。
これもひとつの相場観だし十人十色で当たり前なのだろうが、
しかし「いつの日かバブルが弾ける」ということに限れば、
相場経験者ならば「当たり前」と認識しているのであろう。
つまり言いかえれば、弾けずにいつまでもつのかという命題こそが相場観と言える。
副島氏は中国にかなり強気、
門倉氏はソフトランディングを主張、
松藤氏はハードランディングを主張している。
オイラはこの三人では、松藤氏に強く惹かれる。
彼の新著である「地獄に落ちる世界経済」という
これまたオドロオドロシイ題名の著作で、
中国に関して1章を割いて書いている。
今まで読んだ中国の政治・経済論で一番わかりやすかったし、
納得してしまうしかない中国のヤバさがよく描かれていた。
「借りた金は返さない」という、
普通の常識とはかけ離れた中国人の感性、
これを侮ってはいけないとまずは感じた。
「賄賂が当たり前」という袖の下文化も恐れ入るしかない。
「軍隊が誰の言うことも聞かない」という、
あの関東軍や北朝鮮も顔負けな中国事情というのも笑うしかない。
「広すぎて言葉が通じない」という、
とても恐ろしい事実から目を離してはいけない。
こうした混沌具合は、あの米国ですらタジタジな状況だろう。
副島氏は、まるでロック笛を見るように中国の政治を一刀両断に語っていたが、
松藤氏によれば、実は何が何だかわからない先が読めない国、それが中国。
でも、ヤバいということだけはわかるという事実。
松藤氏の中国描写は、まるでそこにいる住人にでもなったかのように、実にリアルだった。
中国に、過大な期待をしてはいけないようだ。