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S&P、イタリア国債を1段階格下げ

 [20日 ロイター] 米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、イタリアの長期・短期ソブリン非依頼格付けをA+/A─1+からA/A─1に1段階引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ」。


 市場関係者のコメントは以下の通り。


●想定内、それほどのショックない


 <クレディ・スイス証券 チーフ通貨ストラテジスト 深谷幸司氏>


 S&Pがイタリアを格下げしたことで、早朝にユーロが売られた。市場が予想していたムーディーズではなく、S&Pだったことは意外だったが、イタリアはいずれ格下げとの観測が強かった。ある程度想定されていたため、それほどのショックはない。欧州市場で大きく売り直されるということもないだろう。


 問題の根本はギリシャで、デフォルトリスクが市場を通じて他の国の国債に売り圧力をかけることが混乱を大きくする。逆にいえば、ギリシャの支援問題が落ち着けば、他の国への伝染リスクも和らぐだろう。当面はギリシャ向け第6次融資をめぐって、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)による調査団がゴーサインを出すかどうかが焦点になる。


●利回りさらに上昇へ

イタリアの格付けに整合性がなかったことや、国内総生産(GDP)に対する債務比率の高さを考えれば、格下げは予想されていた。イタリアは依然として信用力があり、見通しがネガティブだとしても、Aという格付けは依然として高い水準だ。

 世界の金融市場が動揺し、ギリシャのデフォルト(債務不履行)が懸念されている時にこういった格下げを発表するのは、お粗末だ。


 しかし、事実よりも市場心理が重要であり、イタリア債の利回りはさらに上昇する可能性がある。他の周辺諸国の利回りも今後一段と上昇し、ユーロ相場も下落する可能性がある。


●S&Pの格下げは予想外、欧州時間に1.35ドル試す可能性も


 <GFTの為替調査ディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏>


 市場はムーディーズの格下げは予想していたが、S&Pの格下げは予想外で、不意を突かれた格好だ。ソブリン債務危機がギリシャだけにとどまらないことを示しており、為替市場で根強い懸念材料となっている。


 ソブリン債務危機は慢性的な問題であり、ユーロ圏の構造的な問題だ。このため、今後もユーロにとって深刻な問題となるだろう。


 欧州市場の取引開始時に1ユーロ=1.35ドルを試す可能性がある。

●市場は割り引いて受け止め


 <ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセン氏>


 きょう(格下げの発表が)予想されていたかと言えばそうではないが、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は他社と異なる行動を取るため、市場はやや割り引いて受け止めているようだ。格下げが妥当でないと言うつもりはないが、S&Pによる米国の格付けを考えれば、多少は割り引いて受け止められるだろう。


 現在は格下げよりも重要なことがある。それは、ギリシャが融資を受けるために財政を立て直すことができるかどうかや、連邦準備理事会(FRB)がやったように、ユーロ圏が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を拡大できるかどうかということだ。


●ユーロの売り材料はイタリアよりギリシャ


 <SMBC日興証券 シニア債券為替ストラテジスト 野地慎氏>


 イタリアの格下げを受けて、ユーロ/ドルはきょうの高値から約90ポイント売られたが、こんなものだろう。ある程度予想されていたことだ。


 欧州の財政問題も深刻だが、一方の米国をみてもオバマ大統領の雇用政策や増税案をみると共和党と民主党の溝が埋まる気配はなく、債務削減の見通しは立たない。

また、市場の関心は今ギリシャに集まっており、ユーロが本格的に下値をトライするとすれば、きっかけはギリシャ問題とみている。

●ギリシャ問題先送りのツケ、格付機関からの警告


 <大和証券キャピタル・マーケッツ シニアクレジットアナリスト 藤岡宏明氏>


 スタンダード&プアーズ(S&P)がイタリア国債をA+からAに引き下げたことは、アウトルックをすでにネガティブとしていたとはいえ、マーケットがそれほど早く動くとは想定していなかったことから、格下げの意味合いは大きいと言わざるを得ない。イタリアの格付けAa2を格下げ方向で見直すと表明しているムーディーズの方が先に格下げに踏み切ってもおかしくなかった。格付けの水準についても、ムーディーズの方がS&Pよりも高いだけに、マーケットに与えるインパクトは少ないはず。


 折しも、ギリシャ債務をめぐる不安が渦巻いている局面だけに、投機筋に再度付け入る隙を与えてしまう恐れがある。ユーロ圏諸国がギリシャ債務問題に時間稼ぎ的な対応を繰り返し、抜本的な解決に踏み込まないことから、他国に波及しやすい状況を作ってしまった。場当たり的な対応は、格付機関からの警告ともとれる。


●問題は債務を長期的にどうするか


 <投資銀行サンドラー・オニール・アンド・パートナーズ(ニューヨーク)のチーフストラテジスト、ロバート・アルバートソン氏>


 問題は格付けではなく、債務を長期的にどうしたいかだ。大半の人々がソブリン債を保有する金融機関が適用するヘアカット(元本削減)の計算を始めた。ポイントは、不動産を所有するアメリカの1個人であれギリシャ政府であれ、バランスシートの調整は誰もが行わなければならないということだ。


 欧州のソブリン債務危機は大きく誇張されていると思う。この問題は既に市場に非常に大きな打撃を与えており、メディア報道その他により実際の問題とはかけ離れてしまっている。解決すべき大きな問題であることは否定しないが、ECB(欧州中央銀行)などが中心となり速やかな解決策を講じればいい話だ。

 

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